ぐーすか、ぐーすか、スー、スー。
あいまに ピー もいちど ピー。
今から100年寝て過ごす。
うつぶせになったりあおむけになったり。
おやおやどうやら知らぬ間に、ときどき寝返りしているようだ。
ぐっと冷え込むと、夏の間騒がしかった山の蟲たちが、一斉におとなしくなります。
よく見てまわると、樹の皮下やうろの中で、ゆっくりとうごいている蟲たちをみつけます。
大きな樹と同じ役割をはたしているのか、日当りのいい木造の我が家の窓枠や軒下でも、かたまって寒さをしのぐ蟲たちが見られます。
自分の暮らすすぐかたわらを「安心して休む場所」と蟲たちがみなしてくれることはとても嬉しい。
私のかたわらで眠る【百年サナギ】
自分のそばで何かが安心して眠ってくれているのは、もうそれだけで幸せなもの。
そして眠りながらもじんわりじんわりと中からはみ出してくるような命の力強さのもたらす何か?でもって、そこに居る人を「幸せにするといい」と思うのです。
(2020年 12 月)