八朔の根元からにょきっと生えた黒い棍棒。
謎の棍棒、1本2本。
外はまっくろ、中はまっしろ。
だれかが食べた跡がある。
ではぼくも、美味しくちょびっといただきます。
八朔(ハッサク)はここいらでよく採れるミカンの一種。
土地にあうのか、さして世話無しでもお日様さえ当たればとっても元気。
いろんな生き物がこの木を好きらしく、たくさんの蟲や菌類が幹や枝に棲んでいます。
棲みつかれすぎて生気を失った枝はボコッと枯れ落ち、そしたら新しい枝が陽のあたる位置にピヨンと生えて、八朔の木は太陽に近づいていくのです。
まてよ?もしかしたら、こういうことかもしれません。
お日様の照る場所に伸びるためのエネルギーの確保に日陰の枝は整理したい。だから要らなくなった枝の分解を、蟲やキノコにお願いする?
お願いするといっても、その枝の免疫つまり蟲などに対する毒性を弱めて待つということだけど。
ああ、いいなあ〜。うまいことやるなあ〜。
(2021年 3月)