おひさまが好きだぞう
冷たい水も好きだぞう
甘い空気も好きだぞう
寒い季節になると、山の空気が甘くなるような気がします。
落ち葉のつもった土のあるところでは空気のお味も格別で、ぱくぱく食べるように飲み込みたくなります。
甘い空気にカビ臭い香りがまざってくることがあって、その主はキノコだったりします。そんな時私は空気といっしょに胞子をぱくぱく食べちゃってるのかもしれない。
私の足はガサガサパキパキ音をたてますが、鹿や猪、狸、ウサギ、リス、穴熊、ムササビたちはとても静か。
でもときに少し離れた斜面で足をすべらせる音が聞こえたり、飛び移った樹の枝が揺れるのを見たりします。
梅の木の下には落ちた実の種がたくさんあって、ネズミたちがカリカリと硬い殻を齧って中身を食べています。ネズミそっくりなモグラの仲間もいて、恋する臭い香りを撒き散らしています。
我が家がもし高床に作っていなかったら穴熊や狸たちも、蝶やハチやホタルみたいに、お家の中を通って行くかな?
私の環境と鹿や猪、狸、ウサギ、リス、穴熊、ムササビ、ネズミ、ジネズミそして虫たちのおはなしでした。
(2023年 11月)