とんぼ玉作家 礒野昭子(いそのあきこ)のホームページ

ストゥラウビラスピス

ここにあるのは海がくれた宝物たち
そこに空想の存在をちょっぴり足してみる

海辺で拾ったブンブクの殻。その模様もフォルムも質感も美しくて、それは私の宝物です。
タコブネの殻もアオイガイの殻も、割れていてもやっぱり宝物。
ギャプス紀の化石から想像の力を借りて復元した古代魚は、体をくねらせて陸にあがったり、突き出た吻の下から細い触手をたくさん出して水底の食物を探ったりする、魚のようで魚でないような奇妙な生き物。
その空想の存在が、私の宝物が並んだ棚を、より豊かな世界にしてくれるのです。

ギャプス紀という仮想の時代の生き物を復元するという化硝研企画は、私の取り組む気の長い企画のひとつ。
7番目となった復元の作品は「魚類無顎口上綱/無顎綱/異甲目/プテラスピス科/ストゥラウビラスピス(マツカサのような甲羅)」
人類にとって知らないことだらけのこの世界だから、逆手にとって楽しむが勝ち。

(2025年 5月)