今回のお題は「痕跡」
痕跡で発想したのは2つの切り口。
何かの跡をみて過去を想像するというバージョンと、何かをしてその気配が残ってしまうというバージョン。
今回は前述のもので考えることにしました。
クジラの骨格をみると、かつての脚の痕跡といわれる骨があるらしいです。
クジラはその昔一度、地上にあがり、また海に還ったほ乳類なんだそうです。
陸上で暮らしていたころのクジラはまるでオオカミがヤマイヌのような姿だそうで、陸上に適したスタイルだったようです。
決して私の創ったこの作品みたいな姿ではありません。
このとぼけたクジラさんのタイトルは「「クジラにはかつて脚があった」です。
(12/16)
今回出題されたテーマは「混ぜる」
これはすごくいろいろできそうなお題。
というわけで創ったのはいつもの作品群ではなかなかつくれないタイプのお絵描き作品です。
お絵描きといってもガラスを溶かして描く場合は、お餅の上に違う色のお餅をのせて、なじんだときにちょうどいい絵柄になるように〜というなんとも、ヤマカンな描き方なのです。
おかげで、描き上がった絵はモチ〜っとのどかになりました。
で、タイトルは 「混ぜる・・獣は草をはみ、草はいつか獣を糧とする」
のどかな情景に似合わぬ名前になりました(10/16)
今回のお題は「僕たちの文明が奪ったもの・・・」
このなんとも重たいお題は歌の歌詞らしいです。
私達の文明によってつくられたものも、なくなったものも沢山あるでしょうが、
今回私は以前からの疑問、「夜の灯りに集まる蛾たちは、ヒトの灯りの無い時代は、どこに向かって飛んだんだろう?」という事とりあげて作品にしてみました。
作品のタイトルは「月光の道」
灯りをつけるヒトの居ないその昔、月までの光の道は水面にキラキラと、空に煌々と今以上に輝いていたのではないでしょうか。
だから私は、夜の蛾達が迷うことなくその光を追って、どこまでもどこまでも飛んでいったのではないかと想像するのです。(9/16)
今回のお題は「あお」
青について考えていて、ついふと浮かんだ妄想から、こんな作品をつくってみました。
「青いスプーンで空の雲をすくって食べよう」
毎日スプーン一杯づつ、空の雲をすくって食べよう。
青空に浮かんだぽっかり雲、ふうわり雲。
曇り空のどんより雲、飛行機雲、入道雲。
自分の中に雲がいっぱいになったら、ふうわり空を飛べるかもしれない。(8/16)
今回のお題は「古い記憶」
昨年、親戚から綿の実を収穫したのをたくさんいただいてしまいまして、それをきっかけに羊毛につづいてコットンも紡ぎはじめました。
で、最近帆布やデニムを見ると、布になる前のイメージが見えるようになって、そのビジョンが自分にはとても楽しいのです。
そこから発想したのが、今回創ったこの「かつて私は森の樹だった」なのです。
鉛筆も、机も、ジーンズも、Tシャツも、それがかつて太陽の下で地に生えて風に吹かれていたということを、目と心で常に見えるようになったらどんなにすべてが愛おしくもったいなく見えることでしょう。
ちなみにガラスであるとんぼ玉はかつて山でした。(7/16)
今回のお題は「熱帯」
お外がどんどん暖かくなって、じめじめの梅雨が来て、そしてポツリポツリと南の方で熱帯低気圧が発生するころ、おうちの中にかっちょいいムカデさんたちが、上がってくるようになります。
このムカデさんたち、普段は戸外の緑の中にお住まいで、たくさんの脚をつかって樹に登ったり降りたりと忙しそうに狩りの生活をしているのをよく見かけます。
ところが、雨が多くなるともっともっとよくその姿を見るようになります。
樹の上で、雨に濡れた触覚をくるんと丸めてじっとしているのを見たこともあります。
そして、がさごそと、屋内に入ってくる子も増えます。
湿気た環境は好きそうなイメージがあるのだけど、雨にぬれるのはあんまり好きじゃなかったりするのかな?
というわけで、今回の私の作品のタイトルは「雨は好きなの?嫌いなの?」です。(6/16)
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