シイノトモシビタケはスダジイの倒木に生える発光キノコです。
梅雨ごろ、雨が降ったあと3日ほど待って、暗闇の森に入ると、そこここで緑青に光るシイトモがみられる場所があります。
目の前をふさがれたかのような暗闇の中に居ると、少しの光もとらえようと瞳孔がいっぱいに開き、そこにとびこんでくる緑青の光はまるで五感を狂わす感覚で、ふうわりふうわり不思議に気持ち良いのです。
シイノトモシビタケは日中見ると、地味な茶色のキノコですが、色は地味でもそのフォルムはなかなかかわいいというか美しいというか、すごく好み。
私が今までにこのキノコを見ることができたのは、沖縄、和歌山、八丈島でした。 この三カ所はどこも黒潮の流れる地で、もしかしたらシイトモ達は黒潮の流れに乗って大冒険の旅の末に生息地を広げているのではないかと何の根拠もないままに想像をたくましくしているのです。
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