今月10月12日に礒やしきのはなれで開催された毎月一日だけの礒野お手製の展覧会「いそのん劇場」の様子をご紹介します。


ごあいさつ
【ハッピーな死生観のおはなし】
まずひとつの事実をどうぞ。
46億年前に地球が出来てから、地球上の物質はほとんど減りも増えもしていないということ。
そりゃあ、ちょっとは増えたり、減ったりしてます。
例えば隕石が飛んできたりとか、水素やヘリウムが宇宙に漏れ出たりとか。
でも、それはほんのちょっとのちょっと。
ほとんどの物質が地球の中でぐるぐる循環しているというのが重大な事実。
水平 リーベ ぼくの 船 H He Li Be B C N O F Ne
七曲り シップス クラークか
Na Mg Al Si P S Cl Ar K Ca
つまり地球上の元素が色々な組み合わせになって、ヒトになったり虫になったり土になったり草や鉛筆や岩やうさぎや飛行機やカバンや雲になってるわけです。
で、それらはいつか分解して、組み合わせが変わって、別のものになっていく。
それは自分自身もいっしょ。
つまり今私を作っている元素もかつて虫だったり土だったり草や鉛筆や岩やうさぎや飛行機やカバンや雲の一部だったかもということ。
そしてもしかしたらかつて私とあなたの一部が共に、ゲンゴロウのゲンちゃんの一部だった時代があるかもしれないということ。
天国も地獄もない、そして死んでも無にはならない、ワタシはバラバラになって組み変わって皆といっしょに次の何かになる。
これが私のハッピーな死生観であり、他との距離感のもとだったりするのです。
生きてる間もしあわせ、死ぬ時にもきっとしあわせ。
会場にはハロウィンにちなんで、いそのんの死生観に関わりのある作品を展示しています。
ちょっとややこしいけど、視点を変えるともっと奥が見える。
そんな作品世界をお楽しみください。
2025年10月 礒野昭子


会場に登場した作品たち


【森に棲むもの】 蟲蟲のしっぽちゃん
緑の森の小さな溜池に棲んでご近所をしてくれているのは、小さな生き物たち、サンショウウオ、水生昆虫、お花、水、プランクトン。
彼らのことも、元素レベルでひっついたり離れたりしている自分のお仲間たちと思うとさらに親しみが生まれます。


【森に棲むもの】 おサカナのしっぽちゃん
サンショウウオであるしっぽちゃんの中は小さな水場。
小さなおサカナが静かに棲んでいます。
彼らの食べているものも元素の集合体。
彼らの排泄するものも元素の集合体。
元素はひっついて離れて、それは水の流れのようにカタチを変えていくのです。


【ココニダマ】
私たちそれぞれの体をつくっている元素は、かつてあの生き物やこの生き物の素だったかもしれません。
ココニダマはたくさんの命を内包して、まだ自身のカタチがさだまらないという不思議な存在です。


【ウゴウゴタケのコウイカさん】
生き物はだれだって、体に他の生き物を住わせています。
このコウイカさんの場合は内部にウゴウゴ、ウゴウゴのさらに内部に寄生キノコ。
そして私たちの場合は表在菌や腸内細菌。
最近はあんまり居なさそうですけど、カイチュウやサナダムシというのもいます。
彼らは距離的に自分と一番近い存在で、時には自分との境界線があいまいなぐらい。
今甘いものを欲しがっているのは、ワタシ?それとも自分の腸内細菌?
自分の個としての境界線がわからなくなってきたら、自分を元素の集合体と考えるのもそう難しくはありません。
ひっついて、離れて、交わって。
今、ワタシがワタシというカタチでアナタという塊に出会えるのはなんと幸せなことか。


【虫草くん】
キノコの仲間に、昆虫に寄生して生きるものがあります。
それが虫草。
このキノコは生きている虫に棲みつき、虫を栄養として自分に取り込みます。
そしていつしか虫は、姿は虫でも中身はキノコという新しい生き物になるのです。
これは虫であった物質が、キノコという次のカタチになるという、元素のバトンタッチのおはなし。

次回いそのん劇場は11月9日。
いそのん劇場はうさかな個展「きらりともけもの」
同時開催はいそのん主催パン太の商店街とうさかなドールの同窓会です。
来場される方で、うさかなドールをお持ちの方は、携えてご来場ください。


ごあいさつ
【ハッピーな死生観のおはなし】
まずひとつの事実をどうぞ。
46億年前に地球が出来てから、地球上の物質はほとんど減りも増えもしていないということ。
そりゃあ、ちょっとは増えたり、減ったりしてます。
例えば隕石が飛んできたりとか、水素やヘリウムが宇宙に漏れ出たりとか。
でも、それはほんのちょっとのちょっと。
ほとんどの物質が地球の中でぐるぐる循環しているというのが重大な事実。
水平 リーベ ぼくの 船 H He Li Be B C N O F Ne
七曲り シップス クラークか
Na Mg Al Si P S Cl Ar K Ca
つまり地球上の元素が色々な組み合わせになって、ヒトになったり虫になったり土になったり草や鉛筆や岩やうさぎや飛行機やカバンや雲になってるわけです。
で、それらはいつか分解して、組み合わせが変わって、別のものになっていく。
それは自分自身もいっしょ。
つまり今私を作っている元素もかつて虫だったり土だったり草や鉛筆や岩やうさぎや飛行機やカバンや雲の一部だったかもということ。
そしてもしかしたらかつて私とあなたの一部が共に、ゲンゴロウのゲンちゃんの一部だった時代があるかもしれないということ。
天国も地獄もない、そして死んでも無にはならない、ワタシはバラバラになって組み変わって皆といっしょに次の何かになる。
これが私のハッピーな死生観であり、他との距離感のもとだったりするのです。
生きてる間もしあわせ、死ぬ時にもきっとしあわせ。
会場にはハロウィンにちなんで、いそのんの死生観に関わりのある作品を展示しています。
ちょっとややこしいけど、視点を変えるともっと奥が見える。
そんな作品世界をお楽しみください。
2025年10月 礒野昭子


会場に登場した作品たち


【森に棲むもの】 蟲蟲のしっぽちゃん
緑の森の小さな溜池に棲んでご近所をしてくれているのは、小さな生き物たち、サンショウウオ、水生昆虫、お花、水、プランクトン。
彼らのことも、元素レベルでひっついたり離れたりしている自分のお仲間たちと思うとさらに親しみが生まれます。


【森に棲むもの】 おサカナのしっぽちゃん
サンショウウオであるしっぽちゃんの中は小さな水場。
小さなおサカナが静かに棲んでいます。
彼らの食べているものも元素の集合体。
彼らの排泄するものも元素の集合体。
元素はひっついて離れて、それは水の流れのようにカタチを変えていくのです。


【ココニダマ】
私たちそれぞれの体をつくっている元素は、かつてあの生き物やこの生き物の素だったかもしれません。
ココニダマはたくさんの命を内包して、まだ自身のカタチがさだまらないという不思議な存在です。


【ウゴウゴタケのコウイカさん】
生き物はだれだって、体に他の生き物を住わせています。
このコウイカさんの場合は内部にウゴウゴ、ウゴウゴのさらに内部に寄生キノコ。
そして私たちの場合は表在菌や腸内細菌。
最近はあんまり居なさそうですけど、カイチュウやサナダムシというのもいます。
彼らは距離的に自分と一番近い存在で、時には自分との境界線があいまいなぐらい。
今甘いものを欲しがっているのは、ワタシ?それとも自分の腸内細菌?
自分の個としての境界線がわからなくなってきたら、自分を元素の集合体と考えるのもそう難しくはありません。
ひっついて、離れて、交わって。
今、ワタシがワタシというカタチでアナタという塊に出会えるのはなんと幸せなことか。


【虫草くん】
キノコの仲間に、昆虫に寄生して生きるものがあります。
それが虫草。
このキノコは生きている虫に棲みつき、虫を栄養として自分に取り込みます。
そしていつしか虫は、姿は虫でも中身はキノコという新しい生き物になるのです。
これは虫であった物質が、キノコという次のカタチになるという、元素のバトンタッチのおはなし。

次回いそのん劇場は11月9日。
いそのん劇場はうさかな個展「きらりともけもの」
同時開催はいそのん主催パン太の商店街とうさかなドールの同窓会です。
来場される方で、うさかなドールをお持ちの方は、携えてご来場ください。