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2016年8月の日記

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【菌糸の森のアオリイカさん】のおはなしその5

【菌糸の森の・・・】の作品は、生き物の体内が他の生き物の暮らす世界だったりすること。
そして、知らずか知っていてか、じつはお互いに助け合いをして生きていたりすること。
それは、自分自身も個体として生きているつもりであっても、実はそうではないんだということ。

そういうことを考えながら、外側も内側もそれぞれに美しくてかつ不思議だと思うモチーフを組み合わせて創ったのがこの【菌糸の森の・・・】という作品。

私が美しくて不思議だと思いモチーフとして選んだのが粘菌と虫草とイカさん。

そのもののカタチをガラスに写し取るのではなく、ひとつひとつのモチーフが本物を見た時に感じるような不思議さ嬉しさをかもし出すようにと思いながら創っています。

この3つのモチーフは実は日本のあちらこちらで出会ったり、見つけたりすることができます。

でも、とても豊富に、まるで凝縮したようにこれらのものと出会えるのが八丈島なのです。
今回の展覧会「境界」の為に訪れた期間にもごらんのように、沢山の粘菌や大きなアオリイカ、かわいいトタテグモタケ(虫草)と出会うことができました。


というわけで、今回「境界おかわり」として、いつものコウイカさんヤリイカさんではなく
【菌糸の森のアオリイカさん】という特別版の子を誕生させました。
そしてこの数日の間のこのページのおはなしも、「境界おかわり」としてのお楽しみ。
八丈島の美しい粘菌や虫草を思い、深い海の底から産卵の為にやってくるアオリイカの美しさも想像して楽しんでいただけるといいなあと思っています。
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【菌糸の森のアオリイカさん】
中に仕込まれているのは3本の虫草と粘菌の子実体たち。

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逆光にすると脚の間から見えるのは瑠璃色。
眠そうな目は大きめ。

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このあと、本日零時をまわったらグラス2Hオークションがはじまります。
このオークションは終了しています

たった一匹、一人だけの為の【菌糸の森のアオリイカさん】
見るだけの人も、自分の手元で愛でたい人も、みんな楽しんでいただけますように。
2022/04/22 20:36 Update

【菌糸の森のアオリイカさん】のおはなしその4

お片づけの晩にも寝る時間を削って、満天の星の下、カメラを持ってでかけました。
増永さんと町長さんも一緒の生き物倶楽部のお散歩です。

その晩は絶好の粘菌日和。(写真はクリックすると大きくなります)

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こんなのもみつけました。
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この粘菌も初めて見たもの。
そして右端にピカリとひかるものがあったので、そこにピントをあわせてみると・・
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こんなかわいい粘菌がぽつんと。
金属光沢のおかげで光を反射していたんですね。
なんてかわいいんでしょう。
大きさはわずか1.5mmほど。

・・・つづく
2022/04/22 20:34 Update

【菌糸の森のアオリイカさん】のおはなしその3

今回の八丈島も出会ったのはアオリイカだけではありません。

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高いところから谷を見下ろすとシダの樹のジャングルが・・・(恐竜が出そう)

少し脇道に入って上を見上げるとこんな光景が
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そんな八丈島は発光キノコや虫草(虫に寄生するキノコ)や粘菌の宝庫

今回みつけられた虫草はこの一種だけでしたが、やっぱり不思議でやっぱり魅力的。

夜の神社で・・・
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トタテグモタケ

うす桃色の綿棒のような茸が生えているのはトタテグモの巣穴の入り口。
キノコの根元はそのままクモとつながっているのです。

・・・つづく
2022/04/22 20:34 Update

【菌糸の森のアオリイカさん】のおはなしその2

展覧会も終わり、お片づけもほぼ終わった日のことです。

時間をやりくりして、町長さんと増永さんとダイビングに行きました。
目的はアオリイカの産卵の現場を見に!です。

以前にも一度、海の底からその様子を見た事があったのですが、それはそれは美しい光景でした。

でもそれは6月のことでしたから、今回は7月、もう居ないと思っていました。
ところが!!・・・ちょうど来てるよ!とのことで、もう我慢できない〜。

海の底に潜って見るとやはりそれはとても美しい光景でした。


実は私にとってアオリイカは、一番海で出会うイカ。
地元の和歌山の海でもふつうに泳いでいて頻繁に出逢います。
最近たまに訪れる日本海側でも出会います。
それは小さな子供のイカ。
全長10cmくらい。
とても可愛いんです。

でも八丈島で出会うのはその子供達を産みにくる、メーター級の大人のイカ。
とても優雅で美しいのです。
残念ながら、カメラを用意出来ずに潜ったので写真はありませんが、想像してみてください。

大きな半透明のやわらかで美しいフォルムの宇宙船が2匹、4匹とつれだって、ひらひらと泳いでいくところを。

そんな光景を見たことは、私にとって八丈島での宝物な経験なのです。

そのやわらかな優雅さを表現することはかないませんでしたが、そういうわけでいつもの「コウイカ」とも「ヤリイカ」とも違う【菌糸の森のアオリイカさん】が登場することになったのです。

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・・・つづく
2022/04/22 20:33 Update

【菌糸の森のアオリイカさん】のおはなし その1

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八丈島での展覧会【境界】が終わってもう1ヶ月以上経ちました。
現地に行かれた方々からは「夢のようだった」なんて嬉しいお便りをいただいていたりします。

でも【境界】が終わっても全部終わりじゃありません。
こんどは【境界おかわり】がはじまっています。
この企画は終了しました

この【境界おかわり】、いろんな事情で八丈島まで行く事ができなかった人もみんな楽しめるものにしたいと、町長さんがはじめました。
で、私たち作家もこの期間、いろんなかたちで楽しみをつくれないか?と思い立ったわけです。

で、思い立ってできあがったのがこの【菌糸の森のアオリイカさん】

【菌糸の森の・・・】シリーズ特別版です。


時をもどしまして、展覧会も終わり、お片づけもほぼ終わった日のことです。
・・・つづく。
2022/04/22 20:33 Update
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