いそのん劇場【ハッピーな死生観のおはなし】

今月10月12日に礒やしきのはなれで開催された毎月一日だけの礒野お手製の展覧会「いそのん劇場」の様子をご紹介します。
sen506.jpg
ke25_10_13a.jpg
ごあいさつ

【ハッピーな死生観のおはなし】

まずひとつの事実をどうぞ。
46億年前に地球が出来てから、地球上の物質はほとんど減りも増えもしていないということ。
そりゃあ、ちょっとは増えたり、減ったりしてます。
例えば隕石が飛んできたりとか、水素やヘリウムが宇宙に漏れ出たりとか。
でも、それはほんのちょっとのちょっと。
ほとんどの物質が地球の中でぐるぐる循環しているというのが重大な事実。

水平 リーベ ぼくの 船
H He Li Be B C N O F Ne
七曲り シップス クラークか
Na Mg Al Si P S Cl Ar K Ca

つまり地球上の元素が色々な組み合わせになって、ヒトになったり虫になったり土になったり草や鉛筆や岩やうさぎや飛行機やカバンや雲になってるわけです。

で、それらはいつか分解して、組み合わせが変わって、別のものになっていく。

それは自分自身もいっしょ。
つまり今私を作っている元素もかつて虫だったり土だったり草や鉛筆や岩やうさぎや飛行機やカバンや雲の一部だったかもということ。
そしてもしかしたらかつて私とあなたの一部が共に、ゲンゴロウのゲンちゃんの一部だった時代があるかもしれないということ。

天国も地獄もない、そして死んでも無にはならない、ワタシはバラバラになって組み変わって皆といっしょに次の何かになる。

これが私のハッピーな死生観であり、他との距離感のもとだったりするのです。
生きてる間もしあわせ、死ぬ時にもきっとしあわせ。
会場にはハロウィンにちなんで、いそのんの死生観に関わりのある作品を展示しています。
ちょっとややこしいけど、視点を変えるともっと奥が見える。
そんな作品世界をお楽しみください。
 
2025年10月 礒野昭子

sen506.jpg
sen506.jpg
会場に登場した作品たち
ke25_10_13b.jpg
ke25_10_13c.jpg
【森に棲むもの】 蟲蟲のしっぽちゃん
緑の森の小さな溜池に棲んでご近所をしてくれているのは、小さな生き物たち、サンショウウオ、水生昆虫、お花、水、プランクトン。
彼らのことも、元素レベルでひっついたり離れたりしている自分のお仲間たちと思うとさらに親しみが生まれます。

ke25_10_13d.jpg
ke25_10_13e.jpg
【森に棲むもの】 おサカナのしっぽちゃん
サンショウウオであるしっぽちゃんの中は小さな水場。
小さなおサカナが静かに棲んでいます。
彼らの食べているものも元素の集合体。
彼らの排泄するものも元素の集合体。
元素はひっついて離れて、それは水の流れのようにカタチを変えていくのです。

ke25_10_13f.jpg
ke25_10_13g.jpg
【ココニダマ】
私たちそれぞれの体をつくっている元素は、かつてあの生き物やこの生き物の素だったかもしれません。
ココニダマはたくさんの命を内包して、まだ自身のカタチがさだまらないという不思議な存在です。

ke25_10_13h.jpg
ke25_10_13i.jpg
【ウゴウゴタケのコウイカさん】
生き物はだれだって、体に他の生き物を住わせています。
このコウイカさんの場合は内部にウゴウゴ、ウゴウゴのさらに内部に寄生キノコ。

そして私たちの場合は表在菌や腸内細菌。
最近はあんまり居なさそうですけど、カイチュウやサナダムシというのもいます。
彼らは距離的に自分と一番近い存在で、時には自分との境界線があいまいなぐらい。
今甘いものを欲しがっているのは、ワタシ?それとも自分の腸内細菌?
自分の個としての境界線がわからなくなってきたら、自分を元素の集合体と考えるのもそう難しくはありません。
ひっついて、離れて、交わって。
今、ワタシがワタシというカタチでアナタという塊に出会えるのはなんと幸せなことか。

ke25_10_13j.jpg
ke25_10_13k.jpg
【虫草くん】
キノコの仲間に、昆虫に寄生して生きるものがあります。
それが虫草。
このキノコは生きている虫に棲みつき、虫を栄養として自分に取り込みます。
そしていつしか虫は、姿は虫でも中身はキノコという新しい生き物になるのです。
これは虫であった物質が、キノコという次のカタチになるという、元素のバトンタッチのおはなし。

sen506.jpg
次回いそのん劇場は11月9日。
いそのん劇場はうさかな個展「きらりともけもの」
同時開催はいそのん主催パン太の商店街とうさかなドールの同窓会です。
来場される方で、うさかなドールをお持ちの方は、携えてご来場ください。
2025/10/13 22:40 Update

10月の礒やしき

ke24_08_03.jpg
礒やしきの日は、毎月第二日曜日。
今月は12日です。
ちょっぴりハロウィン気分の礒やしきです。
sen506.jpg
10月の礒やしきのコンテンツを一部ご紹介。

いそのん劇場では、ハロウィンにちなんで、礒野の作品世界の背後にある死後の世界観をちらりとご紹介。
この全然怖くないこの死生観を知っていただけたら、作品世界の表すヒトとそれ以外のものとの距離感の気持ちよさをさらに感じていただけるかもしれません。


他には、先月にひきつづき化硝研のコーナーでは、懐かしのギャプス紀モンスター、増永元さんの作品を展示の予定です。

グラス2hの予告のコーナーでは、新しく生まれた【土神さま】が、芽吹いたタネを抱えて皆様におめにかかるのを待っています。
ke25_10_06a.jpg

山のめぐみの柿の実は、鹿や鳥や虫たちと取り合いで、齧りつき跡だらけですけど美味しいです。
木から直接もいで食べてくださいませ。

それでは!今月も皆様とお会いするのを楽しみにしています!
sen506.jpg
礒やしきの日のご来訪には前日までに連絡をいただいております。
注:お越しの方は必ず事前にご連絡ください。
ご連絡方法や詳しいご案内はコチラ
「礒やしき」と「いそのん劇場」のご案内・・・http://www.iso.cx/kero/0832
sen506.jpg
sen506.jpg
「1ヶ月先の予告」

うさかな個展「きらりともけもの」を11月の礒やしきで開催します
そちらの来場ご予約も受け付けています。
作品内容など、詳しくは「うさかなの手仕事」の今後の記事をご覧ください  https://usakana.work
2025/10/06 10:53 Update

ご報告 ふたつのガラス絵の指輪

ke25_09_19d.jpgke25_09_19h.jpg
グラス2hオークションに登場したふたつの指輪、どちらもそれぞれ落札者さまの手元に到着しまして、どちらもサイズばっちりだったそうです。
ということで、次点の方へご連絡させていただくことはなくなりました。

次点の方々には残念でしたけれど、いそのんとしてはご参加に感謝の気持ちでいっぱいです。
どうもありがとうございました。
2025/09/27 21:12 Update

今月のグラス2Hオークション

ke25_09_19a.jpg
sen506.jpg
先月からひきつづき、新作誕生にむけて打ち込んでいる中で、思いつきから誕生したのがこの指輪。
嵌め込まれているのは先々月にご紹介した小さなガラス絵のプレート。
最後に完成した2点が今月のグラス2Hオークションに登場です。

【闇にはばたく】14.5号(小さめの画像はタップすると大きい画像になります)
ke25_09_19b.jpgke25_09_19d.jpgke25_09_19c.jpgke25_09_19e.jpg
ke25_09_19f.jpg
この生き物(フクロウ?コウモリ?)目がでっかいです。
闇の中で飛ぶ生き物ですから、目がでっかいのです。
指輪の裏面には、ダイヤモンドビットでガリガリとカタカナでタイトルを彫ってあります。
sen506.jpg
指輪のもう1作品は【ブタ野郎と呼んでくれ】14号
(小さめの画像はタップすると大きい画像になります)
ke25_09_19g.jpgke25_09_19h.jpgke25_09_19i.jpgke25_09_19j.jpg
ke25_09_19k.jpg
(図の中の数字の単位はミリです)

とぼけたブタさんのタイトルが楽しいでしょう?
目の白いところのグラデーションが私の特にお気に入りポイントです。
sen506.jpg
この二つの指輪、ガラス絵が中で小さくカタカタいうこともあるかもしれませんが不安に思わないでくださいね。
これはガラスを接着剤を使わず銀だけで留めているからなのです。

そしてひとつ検討のためのご提案を!

イラストを参考に、段ボールなどを使ってハサミでちょきちょき、指輪を作ってみてください。はめた時の大きさなどのリアルを感じていただけるかと思います。

sen506.jpg
さて、今回の2Hオークションにはもう1つ礒野作品が登場しています。

【桜の花まで飛べました】
1.jpg
2014年生まれのかわい子ちゃんです。
もうこのころの作品は現在と遜色がない。
青の尻尾がくるくるの、とってもかわいいできの子です。
手に握って目をあわせたら、絶対ニコニコしてしまいます。
sen506.jpg
sen506.jpg
このグラス2Hオークションは9月22日(月)の開催。
前日の深夜0時を超えたらスタートです。
どうぞみなさま私と一緒に、ワクワクドキドキ、お楽しみくださいませ!

2025/09/19 22:36 Update

いそのん劇場【銀の指輪ができました】

今月9月14日に礒やしきのはなれで開催された毎月一日だけの礒野お手製の展覧会「いそのん劇場」の様子をご紹介します。
sen506.jpg
ke25_09_15a.jpg
ごあいさつ

【銀の指輪ができました】

さかのぼること数ヶ月前、あるお方にステキな指輪を見せていただきました。
それはあの「内田敏樹さん」の制作したガラスモザイクをトップにすえた銀の指輪。

欲しい!すごく欲しい!ワタシも自分のガラスの指輪が欲しい。
創るなら、数人分創ってみよう!と先月できあがったのが小さなガラス絵のプレート。

さて、ガラスのトップの部分はできました。 8月のいそのん劇場で、指輪の欲しい人とそのサイズのリサーチもすませました。
次は、銀のリングの部分。

トップ持ち込みで、銀の指輪にお仕立てしていただくのはおいくらぐらい?
う・・お安くはない。

そうだ!自分でつくろう!

私が彫金をしていたのは30年も前、ガラスを始めるまだ前のこと。
でも道具も材料もひととおりあります。

そうやってひとつひとつの工程を思い出しながらつくった指輪は、なかなかの出来。
火の扱い、熱の動きを想像すること、30年のガラスの経験が、久しぶりの彫金の仕事にも
活きました。

出来上がった指輪は4つ。
うちひとつはワタシノモノ。
あとの3つはどなたかのものに。

本日のいそのん劇場に展示されている指輪は、抽選販売のお申し込みを受け付けます。
欲しいという方は会場の申し込み書にご記入ください。

そして会場にはいつものように、いそのん所蔵の玉作品もいくつか展示してあります。
こちらも座って触って、ゆっくりお楽しみください。

2025年9月 礒野昭子
sen506.jpg
sen506.jpg
小さなガラス絵の指輪
ke25_09_15b.jpg
【食べられちゃった】会場展示風景
ke25_09_15c.jpg
ke25_09_15d.jpg
裏側にはタイトル「タベラレチャッタ」と書いてあります。

ke25_09_15e.jpg
【魅惑の骨】会場展示風景
ke25_09_15f.jpg
ke25_09_15g.jpg
こちらの書き込みは「ミワクノホネ」。
うすいですが、傾けるとちゃんと読めます。


ke25_09_15h.jpg
【待ち伏せ】会場展示風景
ke25_09_15i.jpg
ke25_09_15j.jpg
ひらがなで「まちぶせ」
一番人気でした。

いそのん劇場閉幕の14時は、ご購入者を決定するじゃんけん大会でおおいに盛り上がりました。
sen506.jpg
sen506.jpg
こちらは礒野所蔵の作品を座って触って楽しんでいただくコーナー。
ke25_09_15k.jpg

sen506.jpg
次回いそのん劇場は10月12日です。
2025/09/15 20:09 Update
 Home