私が八丈島に初めて行ったのは6年くらい前。
ツチボタルと呼ばれる光るキノコバエの幼虫をオーストラリアに見に行った後でこんな話がでまして。
「日本にも居るらしいよ?」「どこに?」「八丈島に。」
そのぼんやりとした情報がとっかかりとなって八丈島を訪れることになったのです。
八丈島ではキノコ研究をしている方達にお世話になり、けっきょく見つけたキノコバエは光らなかったものの、たくさんの発光キノコと出会うことになったのです。
子供のころ読んだ冒険物語に出てきたヒカリゴケ。
ラピュタのおはなしの中で鉱山のおじいさんが見せてくれた光る石。
闇夜でほのかに光る発光物質にはロマンがあります。
八丈島には発光キノコを研究している人達がいます。
その人たちは、大学や企業に属して・・・という方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、私が特にお世話になったのは地元で普通に働いていらっしゃる方達でした。
日中の仕事が終わってから、夜の時間を観察やお世話、研究にあてられているようにおみうけしました。
発光キノコは八丈島の山中に自生しています。
ですが、その方達は山のふもとにもキノコの好む環境をつくり、そこでも発光キノコが観察できるようにしておられました。
同じ八丈島の中ですから、キノコにとってはあっちで生えても、こっちで生えても、そんなに違いはないんでしょうね(^_^)
実際、ある程度人為的だとはいえ、ゲージや水槽で温度管理をして飼われているわけでなく、知らずに見たら自然に生えてるようにしか見えません(笑)
現在では、空港近くでの植物公園内でも発生させているようです。
(私はまだこちらでは見たことがありません)
では、ここで礒野の経験による、発光キノコを見に行く時のコツをお教えします。
発光キノコ(例えばシイノトモシビタケ)は雨が降ったあとの3日目くらいが一番沢山生えます。
土砂降りの雨の中や、乾燥がつづいた時は、出てきません。
灯りのない闇の中を見に行くわけですから、懐中電灯が必要です。
(今回はガイドさんが居るから必要ないかも・・・でも持っていると楽しい?)
ただし!・・・白い光は目をくらませ、発光キノコを充分に見ることができなくなります。
なので、赤い光を用意します。
赤ライトの付く懐中電灯もありますが、文房具屋さんで赤いセロファンを買って、懐中電灯にかぶせるだけでも充分使えます。
スマホの画面、カメラのフラッシュなどは、自分だけでなく周りの人の目もくらませてしまいます。
なので、灯りのつく携帯品にはまわりの人の為にも充分気をくばります。
ここという場所に行ったら、足下を見るための赤いライトも消して、暗闇でずっと座り込んでいると、発光キノコ以外にも美しいものがたくさん見えてきます。
星、空に浮かぶヤシやシュロのシルエット。
落ち葉の多いところなら、落ち葉そのものが菌糸で光り、地面全体が光って見えることもあります。
私の発光キノコを見る一番のいきつけスポットは和歌山にあるのですが、(和歌山にはシイノトモシビタケとツキヨタケとアリノトモシビタケがあります)
八丈島ではそれ以外にもまだまだたくさんの種類が発生しています。
ヤコウタケはとっても明るいですし、エナシラッシタケはちっちゃい輪切りのレンコンみたいでかわいい。
それにアミヒカリタケ、スズメタケ、ギンガタケ・・・・・
今年もたくさんのキノコと出会えますように。