【蛙、海のカケラを抱く】
そとは淡水のシンボルとしての蛙
中はクラゲの泳ぐ海水の世界
このふたつの世界がいっしょになって、まるで私たちの住む水の惑星のようなひとつの世界をかたちづくっているのです。
「蛙とショートストーリー」
これまでに公式サイトで掲載してきたおはなしを一部を抜粋し掲載しました。
ほら、あの空を見てごらん?
青い空に白い雲。
空にモヤッと浮かぶあの白い雲。
あの白い雲はきっと昨日ここに降って僕をぬらした雨だ。
アカハライモリは水からあがってのそのそと。
みんなここから消えてしまった。
僕が居るのは緑の水草の間。
消えたみんなは、それぞれどこかで冬支度。
イチョウの葉っぱが黄色になって、
ハラハラと落ちてつもった。
ハラハラ、ハラハラと落ちつづけ、
もう地面も見えない。葉っぱと光の金色しか見えない
寝ている間にそろりそろり。
ぷにぷにを近くで視るチャンス。
そして今度はそろ~りそろ~り。
気付かれぬ間にぬきあしさしあし。
冬の日差しが、林の中の小道にもさしています。
からからに乾いたクヌギの落ち葉が、絨毯のように道を覆っています。
「僕はこの道を通る。ここで遇ったのもご縁だし、一緒にお散歩しないかい?」
「だいじょぶだよ。」そう言ってる?
「好きだよ。」って言ってる?
蛙さんがぢいっと私をみつめるので、私もぢいっと蛙さんをみつめ、 そして私はなんだか嬉しくなって、 蛙さんと一緒に草の上に座って、一緒に風に吹かれてみました。
礒野昭子の公式サイト・・・http://iso.cx/