メッセージ欄

2020年6月の日記

一覧で表示する

【蛙、海のカケラを抱く】

ke20_6_27f.jpg
【蛙、海のカケラを抱く】
そとは淡水のシンボルとしての蛙
中はクラゲの泳ぐ海水の世界
このふたつの世界がいっしょになって、まるで私たちの住む水の惑星のようなひとつの世界をかたちづくっているのです。
sen506.jpg

「蛙とショートストーリー」
これまでに公式サイトで掲載してきたおはなしを一部を抜粋し掲載しました。

natsunosora.jpg
ほら、あの空を見てごらん?
青い空に白い雲。
空にモヤッと浮かぶあの白い雲。
あの白い雲はきっと昨日ここに降って僕をぬらした雨だ。

sen506.jpg
huyuno.jpg

アカハライモリは水からあがってのそのそと。
みんなここから消えてしまった。
僕が居るのは緑の水草の間。
消えたみんなは、それぞれどこかで冬支度。

sen506.jpg
ityou.jpg
イチョウの葉っぱが黄色になって、
ハラハラと落ちてつもった。

ハラハラ、ハラハラと落ちつづけ、
もう地面も見えない。葉っぱと光の金色しか見えない

sen506.jpg
sorori.jpg
寝ている間にそろりそろり。
ぷにぷにを近くで視るチャンス。
そして今度はそろ~りそろ~り。
気付かれぬ間にぬきあしさしあし。

sen506.jpg
kunugi.jpg
冬の日差しが、林の中の小道にもさしています。
からからに乾いたクヌギの落ち葉が、絨毯のように道を覆っています。
「僕はこの道を通る。ここで遇ったのもご縁だし、一緒にお散歩しないかい?」

sen506.jpg
daijoubu.jpg
「だいじょぶだよ。」そう言ってる?
「好きだよ。」って言ってる?
蛙さんがぢいっと私をみつめるので、私もぢいっと蛙さんをみつめ、 そして私はなんだか嬉しくなって、 蛙さんと一緒に草の上に座って、一緒に風に吹かれてみました。

sen506.jpg
礒野昭子の公式サイト・・・http://iso.cx/
2020/09/30 19:12 Update

【進化のおはなし】ステガちゃんの世界

「進化のおはなし」シリーズより
ke20_6_27c.jpg
作品タイトル
写真向かって左【陸にあがって】【桜の花までとべました!】


【陸にあがって】
赤い実に黄色いお花のヘビイチゴは、お日様の下で地面を這って伸びるバラ科の植物です。
そこにピタリと張り付いているのは、浅い水の中から陸にあがってきた両生類のステガちゃんです。
どこでどうやって暮らしていくか、ステガちゃんにとってもヘビイチゴにとってもそれは生きていく上で重要な選択なのです。
ke20_6_25a.jpg

【桜の花まで飛べました!】
地上に上がって来たステガちゃんですが、今度はお空に行きたくなって、にゅいっと羽をはやしました。だけど、羽はとってもちいちゃくあんまり遠くへは飛べません。
まだ 桜の花の付いた枝のあたりまでが、せいいいっぱいなのです。

このステガちゃんがしがみついている桜もバラ科。
同じバラ科でも遺伝情報の一部がどこか違って、その結果こんなに違う植物に育つのは不思議な感じがします。
ke20_6_25b.jpg

進化のおはなし・・・
http://www.iso.cx/gallery/gekijou/extra01/shinka.html

礒野昭子の公式サイトはコチラ・・・http://iso.cx/
2020/09/30 19:13 Update

【ご近所さま(コトリ)】の世界

ke20_6_27b.jpg
【ご近所さま】(コトリ)

お天気の良い日、寒くて雪のちらつく日、少しくらい雨が降っている日、私はいつも屋外で朝ご飯や昼ご飯を食べます。
そのすぐそばの大きな樹のたくさん分かれた樹には、たくさんの種類のコトリたちが飛んできてとまります。
チチチチ、ジュッ!ジュッ!といつも賑やかな姿はとてもかわいい。
でも私が身動きをすると、一瞬で飛んでいってしまうのです。

足下でうっそうと茂っている冬イチゴの中からもゴソゴソと音がして、赤い宝石のような実を食べているようです。
どんなに熱心に食べていても、私が少しでも近づこうものならいっせいに飛び立ってしまうのです。

私は何もしないのに、なぜそんなに逃げる?
私は平和で友好的なんだから、そろそろ逃げなくていいと顔を覚えてくれないかなあ。
(スズメバチは覚えてくれているのに。。)

いつまで経ってもコトリたちは臆病な【ご近所さま】
またまたフユイチゴの草むらからあわてて逃げようとしたメジロ。

私は魔法使いになったつもりで、身の回りに棲むご近所さんをガラスという石の塊に変えていっています。
ke20_6_27a.jpg

逃げてしまったメジロは、ペリドットや翡翠の仲間のような緑の石に化けました。
始めは冷たいガラスという石はずっとにぎっていると暖かくなるのです。
2021/07/19 10:24 Update

【ご近所さま(オオスズメバチ)】の世界

sg20_4a.jpg
ご近所さまと言う時人はヒト属のことだけを思うことが多いですけれど、身近にお互いにお互い気をつかいあい、どうぞどうぞと暮らしているのは人だけに限らないのです。

私のまわりにはたくさんの生き物が棲んでいます。
小さなものから大きいものまで、それぞれの暮らしを営んでいます。
ちょくちょく顔をあわせるものもいれば、気配だけで、決して姿を見せないものもいます。

ほとんどの生き物は、いざ出逢うと大慌てで逃げて行ってしまいます。
それって、残念。
私は、恐がりもせず、危害も加えないよと言っているのだけれど。
できれば、顔を覚えてもらって、会ったときにはご近所さまとしてちょっと挨拶するくらいの関係になりたい。

オオスズメバチはそんなご近所さまの中で唯一こちらの顔を覚えてくれているのではないかと思える生き物。
ズーンという重低音の羽音をさせて飛んできて、人物確認をするような行動をとるのです。
そんな時にはしっかりご挨拶。
嬉しい瞬間です。
sg20_4e.jpg

さて、この【ご近所さま】はそんなオオスズメバチ。
玉を抱えるのではなく、自身が玉のようになった作品です。
羽があるので、身につけるのには向きませんが、羽とお尻、お尻と牙、それぞれ3点で立てることができます。

私は魔法使いになったつもりで、身の回りに棲むご近所さんをガラスという石の塊に変えていっています。

今度はコハクやシトリンを思いながら、オオスズメバチを石に変えました。
sg20_4b.jpgsg20_4c.jpgsg20_4d.jpg
2021/07/19 10:23 Update

【森に棲むもの】の世界

ke20_9_16a.jpg
ke20_9_16b.jpgke20_9_16c.jpg
ke20_9_16d.jpgke20_9_16e.jpg
ke20_01_17a.jpg

【森に棲むもの】

飛行機に乗って、雲の間から見える地上をながめてみます。
あれ?思ったよりヒトの住んでるところって少ないですよ?
高速道路を車で走ります。
あれれ?視界いっぱいの景色の中、ヒトを全然みかけない場所もまだまだ多いですよ?

私たちの住むところはすてたもんじゃない、この地上、人間だけで占拠していません。
そうなんです、思えばこの世界を占める生き物の総数の中で、人間の占める個体数なんてたいしたことない。
ありとあらゆる生き物があたりにいて、ご近所さんをやってくれている。


でも振り返って考えてみると、このたくさんの種類の命が同じところで暮らす中で、なぜかヒトはヒトのことばかりが気になる。

ヒトってそういう生き物だから、それが当たり前かもしれないですけれど、それってちょっと不思議で、近視で、残念なこと。
そう礒野は思うのです。

ヒトのことを意識するように、他の生き物のことも意識してみたら?
ヒトとそれ以外の生き物たちの存在をまったく同等にあたりを見てみたら?
意識のなかのご近所さんの内訳がヒトだけでなくなったら?

【森に棲むもの】にははそういう思いがぎゅっぎゅっとのっかっています。

裏山の樹々の間に棲む小さな両生類やは虫類のあの子、ルーペで倒木や落ち葉を見ないと見落としてしまうけど、確かにそこにいるマルトビムシ族のあの子たち、渓流の小さなふちで、そっとたたずむおサカナ一家のあの兄弟。
そんな子たちが、【森に棲むもの】のしっぽちゃんの中には存在します。
しっぽちゃんの中を見てあたりに棲む生き物たちのことを思い出し、あたたかい気持ちになる幸せを感じてもらえたら最高です。


ke20_6_27h.jpgke20_6_27i.jpg
ke20_6_27g.jpg
2022/07/14 13:01 Update
    Home