メッセージ欄

分類 【いそのん劇場】 で検索

一覧で表示する

いそのん劇場【菌糸の森のコウイカさん ヤリイカさん】

12月13日にやまのパンダ屋のはなれにて開催されたいそのん劇場のご挨拶を紹介します。
sen506.jpg
ke20_12_19b.jpg
【菌糸の森のコウイカさん、ヤリイカさん】
この場を借りて白状すると、創り手の礒野本人が、私物として一番たくさん手元に残してあるのが
この作品【菌糸の森のコウイカさん】(2004年デビュー)【菌糸の森のヤリイカさん】(2007年デビュー)。


今回のいそのん劇場では、いそのん所蔵のイカさんたちを見ていただきながら、この作品の背景にある考え方や作品のモチーフと関係のあるコレクションを楽しんでいただこうと思います。

この作品をつくりあげているのはそれぞれに魅力的なモチーフ。
軟体動物頭足類といういかにも不思議ないきもの。
蟲に寄生してはえてくるちょっと怖いキノコ。
食べ物を探して動きまわり、やがては美しい子実体という姿になって固まる粘菌類。
この奇妙な魅力をもつもののとりあわせであるこのガラスの塊は、それだけで自分にとって宝物です。

でも実はこの作品の根底には、
「自分の身体の中は他の生き物の宇宙(スペース)である」
というテーマがあります。
自分の皮膚や口の中や腸内で無数の細菌類が一生を過ごしているということは、自分が彼らにとってとても大切な存在でありアパートであり地球であるゆえ、それを意識することで、自分の存在価値の大きさに満ち足りた幸せを味わえると私は思うのです。

さらに言うと自分の身体や自分の一生が、自分だけのものではない、自分の身体に棲むたくさんの命と共同所有するものであり、そしてもしかしたら、今日の晩ご飯に食べたいものすら、自分だけの意識ではなく
腸内細菌との共同意思かもしれない。
そんな想像でぞくぞくと楽しむのも一興だと思うのです。

本日の展示の詳細は
そんな礒野をしげきした冬蟲夏草や細菌類の本と、山中や神社の境内であつめてきた標本。
そして、ケロ画伯と私自身によるイラスト。
加えて、今月登場の最後からふたつめの【百年サナギ】です。

作品や資料は触ってじっくり味わっていただけると本望です。
本もご自由にぜひ手に取って読んでみてください。
そして本日の展示がまたひとつ皆様の人生の楽しみを増やしますように。

2020年12月 礒野昭子

ke20_12_19a.jpg
ke20_12_19c.jpg
ke20_12_19e.jpg
ke20_12_19f.jpg


ke20_12_19d.jpg
sen506.jpg
今月開催の企画
詳しい日程や開催サイトのご案内は、コチラで掲載しています。
gt.jpg・・・http://town.wcs.jp/
2020/12/21 21:54 Update

いそのん劇場【アトリエモンスター登場】

11月8日にやまのパンダ屋のはなれにて開催されたいそのん劇場のご挨拶を紹介します。
sen506.jpg
ke20_11_10a.jpgke20_11_10b.jpg
ke20_11_10c.jpg

【アトリエモンスター登場】

いそのんのアトリエでは、ちょこちょこという足音や、ゴソゴソというものおとがします。
バーナー作業をする目の端を、たびたび小さな誰かが通ります。
夜な夜な出没するこの小さな生き物。
なんだ?この謎のちびさん立ちは?
私はこのちびさんたちをアトリエモンスターと名付けました

ある日そのモンスターを1匹捕まえてみたならば・・・・・・・

あれ?【森に棲むもの】に入れるはずだったいそのんのガラスのお花が!

また1匹を捕まえてみたならば・・・・・・

こっちのモンスターにはモゾゾが。

作品を創る時、中に入れるモチーフはあらかじめ少し余分につくっておきます。
本体に部品を入れる時、時折割れたり、入れたものの気に入らなくて入れ直したりすることがあるからです。
でも、おおかたの場合、その余分は使われることはありません。

使われなかったそういう部品は、しばらくアトリエに置きっぱなしになり、その後溶かして棒に引き直し
別の用途に使われることになります。

アトリエモンスターの身体の中にあったのは、溶かされてしまう前の部品たち。

うーん、いったいどういうこと?
いつかこの子達の謎は、スタヂオiで、カエル星人とみんながきっと解いてくれるはず。

今日のいそのん劇場はいそのんがこっそり生み出して溜めていた【アトリエモンスター】
【作品】じゃないけれど、いそのんのアトリエから生まれた子たち。
各展示のラベルには、そのアトモンがどの作品のあとに生まれたかを書いてあります。

さて、このアトリエモンスターですが、この機会をつかって、アンケートを用意しました。
みなさまはどの子が好きか?アンケートに答えて、いそのんにお勉強にさせてくださいませ。

2020年11月 礒野昭子ke20_11_10d.jpg
2020/11/10 17:03 Update

いそのん劇場【博物館から帰ってきました】

月末にあたり、今月10月11日にやまのパンダ屋のはなれにて開催されたいそのん劇場のご挨拶をご紹介します。

sen506.jpg
ke20_10_28a.jpg

【博物館から帰ってきました】

弥生文化博物館の3ヶ月の展示から、礒野の作品達がここに帰ってきました。
会期中、博物館を訪れた方は、この作品達を、ガラス越しにじっくり鑑賞してきてくださったかと思います。

さて、今回のいそのん劇場は、その作品はどのようなシチュエーションで見られる事を想定して生まれたのか?
ということに注目して見ていただこうという趣向です。

美術館をめぐって、たくさんの絵画や彫刻と出逢った時、どのようなシチュエーションで見られる事を想定して
その作品が生まれたのか?を意識して観るととても面白いものです。

6畳ぐらいの部屋で家族で見ていただくつもりの作品。
大きなホールでたくさんの人に見ていただくつもりの作品。
旅の荷物の中に入れて先々で祈りを捧げるための作品。
ろうそくの灯りやランプを想定したもの、太陽の光を想定したもの。

創り手や描き手の意図を想像して、そうあるべき場所にあるその作品を想像して鑑賞すると、いろんな事がふにおちて、さらにその作品に魅力を感じるかと思います。

私が今、多く生み出しているのは、だれかの手の上にあって手と目で観てもらうことを想定して構築した作品です。

今、博物館という晴れの舞台から、ここに帰ってきた子たち、だれかの手の上にあるべきと思って創られたその作品たちを、ぜひ手に取って、その手触り、その重み、ガラスの持つ冷たさが体温を吸ってだんだんに暖かくなるその変化、そしてその曲線や、角度を変えた時に変わる見え方を
ぞんぶんに味わい、さらに博物館での展示との感じ方の違いを意識して観ていただこうと思います。

今日展示しているものは、上記の弥生文化博物館からここに帰ってきたものだけではなく、
今月のグラス2Hオークションで、守り手を探す【百年サナギ】
そして、今月もネットでの開催となった 弘法さん の作品達。

最終的にどなたの手におさまるかわからないものですが、今日この場所では皆様のものです。
そう思ってこの子たちを一日かわいがってくださることをよろこびとして
今月のいそのん劇場を開催いたします。

2020年10月 礒野昭子
ke20_10_28b.jpg
2020/10/30 10:11 Update

いそのん劇場【森に棲むもの】

1月12日にやまのパンダ屋のはなれにて開催されたいそのん劇場のご挨拶をご紹介します。

sen506.jpg
ke20_01_17a.jpg
【森に棲むもの】

飛行機に乗って、雲の間から見える地上をながめてみます。
あれ?思ったよりヒトの住んでるところって少ないですよ?
高速道路を車で走ります。
あれれ?視界いっぱいの景色の中、ヒトを全然みかけない場所もまだまだ多いですよ?

私たちの住むところはすてたもんじゃない、この地上、人間だけで占拠していません。
そうなんです、思えばこの世界を占める生き物の総数の中で、人間の占める個体数なんてたいしたことない。
ありとあらゆる生き物があたりにいて、ご近所さんをやってくれている。


でも振り返って考えてみると、このたくさんの種類の命が同じところで暮らす中で、なぜかヒトはヒトのことばかりが気になる。

ヒトってそういう生き物だから、それが当たり前かもしれないですけれど、それってちょっと不思議で、近視で、残念なこと。
そういそのんは思うのです。

ヒトのことを意識するように、他の生き物のことも意識してみたら?
ヒトとそれ以外の生き物たちの存在をまったく同等にあたりを見てみたら?
意識のなかのご近所さんの内訳がヒトだけでなくなったら?

【森に棲むもの】にははそういう思いがぎゅっぎゅっとのっかっています。
裏山の樹々の間に棲む小さな両生類やは虫類のあの子、ルーペで倒木や落ち葉を見ないと見落としてしまうけど、確かにそこにいるマルトビムシ族のあの子たち、渓流の小さなふちで、そっとたたずむおサカナ一家のあの兄弟。

今回の展示は、いつかこの作品が欲しいと思ってくださる皆様に【森に棲むもの】のしっぽちゃんがどういう存在なのか。中に居る子たちが皆様にとってどういう存在であって欲しいのかを知ってもらう機会として企画しました。
あたりに棲む生き物たちのことを思ってあたたかい気持ちになっていただければそれはなによりのいそのんの喜びです。
ke20_01_17b.jpg
2020/01/18 19:10 Update
    Home