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いそのん劇場【43匹のナギ】

4月11日の山のパンダ屋さんにて開催された、いそのん劇場の内容をご紹介します。
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【ナギ】・・・この作品を私は言葉にしてうまく説明することができません。

ただ言えるのは【百年サナギ】を手がけたあと、
「サナギという存在の魅力を【百年サナギ】と違う表現でも感じてもらいたい」と、
夢中で生み出した子たちだということなのです。
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【ナギ】は、サンドブラストによって表面がザラザラと白っぽく見えます。
これは表面のザラザラが光を乱反射するからです。
そしてさらに【ナギ】はガラスに曇りを混ぜ込んでつくってあります。
曇りというのは小さな泡のつらなりです。
乱反射の層を通り抜け、外から入った光は、この小さな泡にぶつかってまがったりまた反射したりしながら
進みます。
中でまがったり反射したり行ったり来たりしながらすすむ光は最後に【ナギ】から外に出ようとしたとき、
すんなりとは、出してもらえなかったりします。
そんなふうに【ナギ】の中にはほんの一瞬「気のせい?」というぐらいの一瞬、光りがとどまる感じがします。
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今回のいそのん劇場は23匹の【ナギ】の展示と20匹の【ナギ】のこっそり展示で構成されています。
23匹の【ナギ】は今後、インスタレーションとして空間を創作する時の大事な作品群として、
私の手元に残しておくつもりの子たちです。
20匹のこっそり展示の【ナギ】は・・・・?
だれんちの子になるかはまだわかりません。
どこの子になるにしても、今日はここに来てくださった方々のものとして、眺めて透かして握って
楽しんでください。
にぎっているうちに、表面の反射が減って、中がすこしづつ透けてきます。
この変化も【ナギ】の楽しみのひとつです。
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いそのん劇場は礒野の脳内です。
ガラスの理屈はさておき、【ナギ】を少しでも「かわいい」と思ったら、その人はきっといそのんのお仲間です。
こころおきなくこの空間でゆっくりじっくりすごしてくださいませ。
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2021年4月 礒野昭子
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会場風景
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2021/04/15 22:11 Update

いそのん劇場【一年サナギ】

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自分が生み出したひとつひとつの作品がそれぞれのオーナーさんの人生のかたわらに居て、それからの物語を紡いでいるであろうことが、いつも私をドキドキわくわくさせます。
そして自分の生み出した作品をとっかかりに、まわりから新しい物語や動きが生まれたり、何かがはじまったりすることもまた、私をドキドキわくわくさせます。

今回の【一年サナギ】の企画は
「百年なんてまってらんない」とのたまうグラスタウン町長のアイデアと
その制作を受けて立ったサバヲ、
そしてカエル星人のテクノロジー、この3つの力によって生まれました。
とっかかりは自分自身が生み出した【百年サナギ】
それは礒野にとってすごくワクワクする出来事です。

今月後半に買い主を募集する1番から15番の【青】のサナギさん。
そして来月前半に買い主を募集する16番から30番の【春】のサナギさん。
どの子もとんがった頭とぷくぷくのお尻が特徴です。
見て欲しいのは1匹1匹異なる色の重ね。
【一年サナギ】はいくつもの色を透明の袋につめて固めたしずくのよう。
これこそガラスならではの魔法の魅力!
胸元から、もしくはポケットやカバンの中から、時々光りにさしあげて透かしてみて欲しいと思う子たちです。

さあて、町長さん! お世話の方法も教えていただきました。
では買い主になったら1年後にほんとうに羽化がみられるのでしょうか?
町長さん!期待して良いでしょうか?
どういうことになるのかこの先とっても楽しみです!
見守ってくださるみなさんも、ぜひごいっしょにわくわくを!
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この会場には、【一年サナギ】のほかに、ふた組の作品を展示しています。
ひとつは素焼きのサナギさんたち。
これはスタヂオiでこれから登場する作品につながる創作のカケラといえるもの。
そして【ご近所さま(イノシシ)】
フンフン吹き散らしたタンポポのタネと蹴散らした野の花を内側の世界に、芋づるを身体にまとって登場。

2021年3月  礒野昭子

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青の【一年サナギ】の抽選販売お申し込みのご参加は、25日夕方7時までです!


2021/03/24 22:14 Update

いそのん劇場【菌糸の森のコウイカさん ヤリイカさん】

12月13日にやまのパンダ屋のはなれにて開催されたいそのん劇場のご挨拶を紹介します。
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【菌糸の森のコウイカさん、ヤリイカさん】
この場を借りて白状すると、創り手の礒野本人が、私物として一番たくさん手元に残してあるのが
この作品【菌糸の森のコウイカさん】(2004年デビュー)【菌糸の森のヤリイカさん】(2007年デビュー)。


今回のいそのん劇場では、いそのん所蔵のイカさんたちを見ていただきながら、この作品の背景にある考え方や作品のモチーフと関係のあるコレクションを楽しんでいただこうと思います。

この作品をつくりあげているのはそれぞれに魅力的なモチーフ。
軟体動物頭足類といういかにも不思議ないきもの。
蟲に寄生してはえてくるちょっと怖いキノコ。
食べ物を探して動きまわり、やがては美しい子実体という姿になって固まる粘菌類。
この奇妙な魅力をもつもののとりあわせであるこのガラスの塊は、それだけで自分にとって宝物です。

でも実はこの作品の根底には、
「自分の身体の中は他の生き物の宇宙(スペース)である」
というテーマがあります。
自分の皮膚や口の中や腸内で無数の細菌類が一生を過ごしているということは、自分が彼らにとってとても大切な存在でありアパートであり地球であるゆえ、それを意識することで、自分の存在価値の大きさに満ち足りた幸せを味わえると私は思うのです。

さらに言うと自分の身体や自分の一生が、自分だけのものではない、自分の身体に棲むたくさんの命と共同所有するものであり、そしてもしかしたら、今日の晩ご飯に食べたいものすら、自分だけの意識ではなく
腸内細菌との共同意思かもしれない。
そんな想像でぞくぞくと楽しむのも一興だと思うのです。

本日の展示の詳細は
そんな礒野をしげきした冬蟲夏草や細菌類の本と、山中や神社の境内であつめてきた標本。
そして、ケロ画伯と私自身によるイラスト。
加えて、今月登場の最後からふたつめの【百年サナギ】です。

作品や資料は触ってじっくり味わっていただけると本望です。
本もご自由にぜひ手に取って読んでみてください。
そして本日の展示がまたひとつ皆様の人生の楽しみを増やしますように。

2020年12月 礒野昭子

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今月開催の企画
詳しい日程や開催サイトのご案内は、コチラで掲載しています。
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2020/12/21 21:54 Update

いそのん劇場【アトリエモンスター登場】

11月8日にやまのパンダ屋のはなれにて開催されたいそのん劇場のご挨拶を紹介します。
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【アトリエモンスター登場】

いそのんのアトリエでは、ちょこちょこという足音や、ゴソゴソというものおとがします。
バーナー作業をする目の端を、たびたび小さな誰かが通ります。
夜な夜な出没するこの小さな生き物。
なんだ?この謎のちびさん立ちは?
私はこのちびさんたちをアトリエモンスターと名付けました

ある日そのモンスターを1匹捕まえてみたならば・・・・・・・

あれ?【森に棲むもの】に入れるはずだったいそのんのガラスのお花が!

また1匹を捕まえてみたならば・・・・・・

こっちのモンスターにはモゾゾが。

作品を創る時、中に入れるモチーフはあらかじめ少し余分につくっておきます。
本体に部品を入れる時、時折割れたり、入れたものの気に入らなくて入れ直したりすることがあるからです。
でも、おおかたの場合、その余分は使われることはありません。

使われなかったそういう部品は、しばらくアトリエに置きっぱなしになり、その後溶かして棒に引き直し
別の用途に使われることになります。

アトリエモンスターの身体の中にあったのは、溶かされてしまう前の部品たち。

うーん、いったいどういうこと?
いつかこの子達の謎は、スタヂオiで、カエル星人とみんながきっと解いてくれるはず。

今日のいそのん劇場はいそのんがこっそり生み出して溜めていた【アトリエモンスター】
【作品】じゃないけれど、いそのんのアトリエから生まれた子たち。
各展示のラベルには、そのアトモンがどの作品のあとに生まれたかを書いてあります。

さて、このアトリエモンスターですが、この機会をつかって、アンケートを用意しました。
みなさまはどの子が好きか?アンケートに答えて、いそのんにお勉強にさせてくださいませ。

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2020/11/10 17:03 Update

いそのん劇場【博物館から帰ってきました】

月末にあたり、今月10月11日にやまのパンダ屋のはなれにて開催されたいそのん劇場のご挨拶をご紹介します。

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【博物館から帰ってきました】

弥生文化博物館の3ヶ月の展示から、礒野の作品達がここに帰ってきました。
会期中、博物館を訪れた方は、この作品達を、ガラス越しにじっくり鑑賞してきてくださったかと思います。

さて、今回のいそのん劇場は、その作品はどのようなシチュエーションで見られる事を想定して生まれたのか?
ということに注目して見ていただこうという趣向です。

美術館をめぐって、たくさんの絵画や彫刻と出逢った時、どのようなシチュエーションで見られる事を想定して
その作品が生まれたのか?を意識して観るととても面白いものです。

6畳ぐらいの部屋で家族で見ていただくつもりの作品。
大きなホールでたくさんの人に見ていただくつもりの作品。
旅の荷物の中に入れて先々で祈りを捧げるための作品。
ろうそくの灯りやランプを想定したもの、太陽の光を想定したもの。

創り手や描き手の意図を想像して、そうあるべき場所にあるその作品を想像して鑑賞すると、いろんな事がふにおちて、さらにその作品に魅力を感じるかと思います。

私が今、多く生み出しているのは、だれかの手の上にあって手と目で観てもらうことを想定して構築した作品です。

今、博物館という晴れの舞台から、ここに帰ってきた子たち、だれかの手の上にあるべきと思って創られたその作品たちを、ぜひ手に取って、その手触り、その重み、ガラスの持つ冷たさが体温を吸ってだんだんに暖かくなるその変化、そしてその曲線や、角度を変えた時に変わる見え方を
ぞんぶんに味わい、さらに博物館での展示との感じ方の違いを意識して観ていただこうと思います。

今日展示しているものは、上記の弥生文化博物館からここに帰ってきたものだけではなく、
今月のグラス2Hオークションで、守り手を探す【百年サナギ】
そして、今月もネットでの開催となった 弘法さん の作品達。

最終的にどなたの手におさまるかわからないものですが、今日この場所では皆様のものです。
そう思ってこの子たちを一日かわいがってくださることをよろこびとして
今月のいそのん劇場を開催いたします。

2020年10月 礒野昭子
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2020/10/30 10:11 Update
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