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【菌糸の森のコウイカさん】

礒野の代表作品のひとつ【菌糸の森のコウイカさん】が誕生しました。
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【菌糸の森のコウイカさん】(61g)

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「はじめまして」コウイカさんからご挨拶です。

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このコウイカさんは揃えた足先を少しもちあげています。
そのしぐさが表すのは何気に好奇心旺盛だということ。

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コウイカさんというのは独特の眠そうな目をもっています。
この不思議な目であっちもこっちも見ているらしいです。
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水中でコウイカさんに出会う時は、いつも単独行動。
水中で同じところにとどまっている時も、エンペラとよばれるヒレは流れるようにぴらぴら動いて少し離れた私には見えなかったりします。
なので、私の目に映るコウイカさんはロケットのような筒状の姿。

海で出会うコウイカさんは不思議でチャーミングで賢そうな生き物です。
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【菌糸の森のコウイカさん】の身体の中は菌類の世界が広がっています。
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生き物の中で小さな生き物が暮らしていることがよくあります。
私たちの中でもたくさんの生き物が暮らしています。
彼らにとって、私の身体は乗り物だったり宇宙だったり世界だったり。

私が生きていることは、たくさんの命の幸せをはぐくんでいるということ。
大家さんとして、そのことに思いをはせると、なんだかほこらしく、ほっこりした気持ちになれます。
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このコウイカさんの体内は菌類の世界です。
この菌類にとって、コウイカさんは宇宙船であったり世界であったり。
そしてコウイカさんが棲むこの世界の生態系も、ひとつの生き物みたいなものかもしれません。
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粘菌の子実体です

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粘菌の子実体と背景に蟲の体節が見えます。

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蟲に寄生したキノコの子実体です。
ここから胞子をまきます。

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蟲から生えている子実体の根本には菌糸がはりめぐらされています。
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この【菌糸の森のコウイカさん】は10月21日のグラス2hオークションに出品します。
このオークションは終了しています
グラス2hオークション・・・https://2h.wcs.jp
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さて、このコウイカさんには、礒野のお気に入り仕様のおまけがついています。
それについては次の記事でご紹介です。
2023/11/19 15:21 Update

【ウミノモト】の生き物たち

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【ウミノモト】は小型のクジラ、ハナゴンドウの形をした海の塊です。

海は命のスープ、命のるつぼ。
この海の塊にもたくさんのいきものがいます。

水面近くを泳ぐ魚の群れは、ハタンポという魚からヒントを得たもの。
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ハタンポたちの群れには岸に近い、でも外海の新鮮な水が打ち寄せる岩礁のかげで出会います。
近づくと、群れは2つ3つに割れて、また合流してと、遠くに逃げることもなく共にすごしてくれます。
私が出会う昼間は群れて過ごす彼らですが、夜になるとそれぞれに動物プランクトンを食べにでかけるのだそうです。

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何層にも重なった骨格を見せているのはサンゴの仲間。
そしてポリプを咲かせているのは、サンゴの仲間やイソギンチャクの仲間。
どちらも体内にいる褐虫藻と共生していて、光をご飯にしています。

こちらはスナギンチャクの仲間
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尻尾の近くにあって、光を通すときれいです。
これもまた褐虫藻と共生しているらしいです。
私が目にするいきものは光の届くところのものなので、光をご飯にしていることが多いようです。
かなりきつい毒があるらしいのですが、私はまだやられたことはありません。

光をご飯にしているのは、チャツボボヤもしかりです。
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腹面の海底にいるのはチャツボボヤをヒントにしたホヤの仲間

ホヤの多くはプランクトンやデトリタスを食べて生きています。
でも、チャツボボヤは緑藻と共生していて、光合成でできたエネルギーも生きるために使っています。
だから浅いとこに棲んでいて、体は緑色。

そのそばにいるのはクモヒトデ。
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クモヒトデはデトリタスを食べます。
(注:デトリタスとは?生物の死骸や排泄物が分解されてチリになったものです。)
水面のデトリタスを毛の生えたような腕でつかまえて食べる海のお掃除屋さんです。
この【ウミノモト】には、まるまる1匹のクモヒトデと別に、珊瑚の間から2本の腕が水中をさぐるように出ています。
珊瑚や岩の下にまだまだ何匹ものクモヒトデがきっと隠れている。
2本の腕がまだ隠れているクモヒトデがいるのをほのめかしています。

海面に見える白い泡は、波が割れたあとにできるもの。
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この中にもたくさんのデトリタスがまざっていて、みんなのご飯になったりします。

イソギンチャクやサンゴが着床している海底に白っぽいところが多いのは石灰藻のしわざ。
石灰藻のたくさんあるところには、ほかの生き物もたくさん棲んでいたりします。
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この海の中には、海底にひっついて生きるもの、水中をおよぐもの、ただようものがいます。
そして、ただようものをかきあつめるもの、追いかけてつかまえるもの、光合成するもの、がいます。
【ウミノモト】をまじまじとみつめても、棲んでいるすべてのものの正体をわかることはできませんし、全部を見てとることすらできないかもしれません。
その感覚は実際の海で私が経験するものと同じ。
感じる気持ちよさは自分が海中で感じる気持ちよさそのものです。
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2023/10/18 22:45 Update

【桜鯨】

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【桜鯨】71g 体長66mm 体高27mm 身幅33mm

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素材はガラス

加えて、桜の幹の表現に銀箔を
桜の花粉に金箔を
そして鯨の肌の一部にも銀箔を使っています

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鯨のことを思うと、自分の存在がとても小さく感じられます。
桜を見ると、自分の存在がすごく一瞬のものと思い至ってしまいます。
そしてちっぽけな自分の日常がとても愛おしくなります。

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ヒゲクジラらしく、下あごの下は蛇腹に波打っています。
海水をがぶっと呑み込んだら、ここがふくれあがるのです。

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尻尾が水面に対し、水平についているのは
鯨がほ乳類であることの証拠。

しっぽまわりの肌の表面に白っぽくまだらな模様が見えるのは表面にとかしつけた銀箔。
角度によって光を銀色に反射させたり、琥珀色に透過させたりします。


この鯨の黒目にあたる部分は透明でできています。
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透明の部分は後ろの色が透けて見えるので、見る角度によって目の印象がかわって見えます。
また背景の色次第で、目のまわりに配したごく淡い灰色の同心円が見えることもあります。
この同心円は目のまわりのシワを表したもの。

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桜の花は枝先だけでなく、太い幹からも咲くのがいいです。
こぎれいに咲くのも良いけれど、この桜の風に吹かれたような野性味の風情もまた愛嬌。

いくつかの角度でみた【桜鯨】です。
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かわいいとは違う何かをもつ、いい作品にうまれました。
みなさまどうぞよろしくお願いします。

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グラス2Hオークションは22日(火)
前日の深夜0時を過ぎたらスタートします。
このオークションは終了しました

参加するも良し、見学するも良し、それぞれのやり方で楽しんでくださいませ。

グラス2Hオークション・・・https://2h.wcs.jp

2023/10/16 11:48 Update

【オオサンショウウオ どぉん!】のおはなし

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深い山々、冷たい川の流れ
「どぉーん!」と私にぶつかってきたのは、一匹のおおきなオオサンショウウオ。
その体重を感じた一瞬は忘れられない感動の思い出。
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山で鹿やカモシカにぱったりと出くわす。
こずえを見上げておもいもかけず、リスやムササビと目があう。
ヒトとして生まれて、ヒトとしての人生の途中で、他の生き物の暮らしと接触する、そんな瞬間があります。

その体験は、わきあがる相手に対する敬意といっしょになって、どぉん!と心に残っちゃう感動になる。
そんな遭遇の瞬間の喜びが、これからも私たちにたくさんありますように。
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こんにちは【オオサンショウウオ どぉん!】です

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ぼくの背中に森があります。
ゆたかな森はゆたかな川を育てます。

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ぼくのお腹側には川があります
川底にはゴロゴロ石ころや、ふさふさやぶつぶつや、おサカナさんたちがいます。

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おサカナさんたちが、こんなにのびのび泳いでいるのは、お食事以外におそわれたりしないからです。

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ぼくが左腕で抱えているのは、ぼくが世話するあかちゃんたち。
まだぷるんぷるんの卵です。

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まだまだお見せしたいところがありますが、
ぼくの自己紹介はこれでおしまい。

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それではバイバイ。
いつかどっかで逢えるといいね。

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この【オオサンショウウオ どぉん!】(98g)を今月22日(土)のグラス2Hオークションに出品します。
みなさまよろしくお願いします。

このオークションは終了しています。


2023/08/20 17:39 Update

【オオサンショウウオ どぉん!】解説 その2

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こちらの面もいいんですよ。

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樹や葉や蔓など、陸の緑の部分が表すのは、たくましさや環境のゆたかさです。
風にそよぐ樹々のざわめきや、山の空気を想像すると楽しくなります。


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お気に入り部分の拡大
「お気に入りの部分」は自然の中でときおりみかける気持ちのいいカタチ。
例えば、紀伊半島の南のとある崖の形状です。
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そして
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幹に生えた菌類の部分拡大

このように、どんな隙間にも生き物が居るのは、豊かな環境のしるしです。

つづく・・・

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この【オオサンショウウオ どぉん!】(98g)を今月22日(土)のグラス2Hオークションに出品します。
みなさまよろしくお願いします。
このオークションは終了しました。ご参加ありがとうございました。

2023/08/20 17:38 Update
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