いそのん劇場【鯨頭石のあらわすもの】

今月13日にやまのパンダ屋で開催された毎月一日だけの礒野お手製の展覧会「いそのん劇場」の様子をご紹介します。
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ごあいさつ

本日のいそのん劇場はほの暗い海の底
揺れる水と光のある空間があります。
その中で鎮座している【鯨頭石】に出逢います。

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【鯨頭石】は石です
石は大地の一部、大地は地球の一部
それはたくさんの命のよりどころです、

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【鯨頭石】は深い深い海の底の熱水噴出口のある場所です。
そこは暖かくてミネラルたっぷり、ほかの場所にはいない独特な生き物達の棲むところです。

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【鯨頭石】は大きな大きな鯨
大きすぎて頭しか見わたせない。

大きな鯨の命が終わる時、大きな身体は海をただよい、ゆっくりゆっくり時間をかけて
海底に沈んでいくのだそうです。
そして、その骨の脂のひとしずくがなくなるまで、
その骸(むくろ)はたくさんの生き物のご飯で住処になるんだそうです。
それはまるで私たちをのせて宇宙にうかぶ地球のようです。

【鯨頭石】は、鯨であること、石であること、深海の熱水噴出口であること
この三つの要素をもつ作品です。
この三つの要素のそれぞれについて考えをめぐらせるとき、私の思いはその先でお互いに関係し、
さらにそこから想像がとめどなくひろがっていくことになるのです。

本日のいそのん劇場では、
気持ちよくほの暗い海の底を、ゆっくりゆっくりと漂う気持ちになりながら、
礒野のとめどない想像の世界におつきあいください。
この時間がみなさまの豊かな気持ちの糧になりますように。

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2022年11月 礒野昭子
2022/11/14 19:57 Update
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