いそのん劇場【糞玉とダイコクコガネモドキ】

今月6月11日にやまのパンダ屋で開催された毎月一日だけの礒野お手製の展覧会「いそのん劇場」の様子をご紹介します。
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ごあいさつ

【糞玉とダイコクコガネモドキ】

今月のいそのん劇場では、作品【土に還る】と糞玉の袋を糞玉で暮らす幼虫の気持ちで見ていただきます。

【土に還る】はダイコクコガネモドキ、今度は雌♀(46g)。

糞虫、糞玉、フンフンフン
糞、クソ、うんこ、便、
さて糞と言えば、汚いもののイメージがありますが、ほんとにそう?

その内容は、分解しきれなかった食べ物、腸内に住んでいた微生物のご遺骸、水分、などなど。

土を肥やし、植物や菌類を喜ばす、栄養価の高いかたまり。
糞そのものは汚くはない。

なのになぜ、汚いと思う?
これはきっと寄生虫のことがわからない時代の、赤痢やコレラの正体がわからない時代の、ヒトの歴史の重なりが考えた「危険だから糞をまるごと汚いと思って避けろ」という作戦。

私は食べるものには火を入れることにして、糞ではなく赤痢やコレラや寄生虫そのものの感染を避ける作戦で、糞を嫌うのをやめました。

先入観をとっぱらって見ると、糞に集まる糞虫にはその姿のかわいいものが多い。
姿だけでなく、行動がまたかわいい。
ホカホカした糞に、よってたかってちぎりとり、団子に丸めて転がして、四方八方散っていく姿がかわいい、押したりひっぱったりえっほえっほと働く姿もかわいい。
卵を産みつける糞玉(糞団子)もとってもかわいい。

そんな糞虫ファンのいそのんが生んだ「ダイコクコガネモドキ雌♀」
中に仕込んだ小さなタンポポの綿毛(ガラスです)、外を覆う糞玉の袋(羊毛です)、その他もろもろ周辺のしつらえ、全部あわせて、本日のいそのん劇場をお楽しみくださいませ。

2024年6月 礒野昭子
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会場風景
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会場には、礒野がこれまで拾いあつめてきた糞虫のコレクションも展示しました。
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さてこの糞虫、世界にはたくさんの種類がいます。
有名なのはファーブルが本に書いたオオタマオシコガネやエジプトのミイラに添えられたスカラベではないでしょうか。

日本にも、たくさんの種類の糞虫がいます。
カブトムシ弱サイズから、カナブンサイズ、ゲンゴロウサイズ、アリさんサイズと、いろいろな大きさの種が居ます。
意外と身近に居ることもあるのですが、それと気が付かずにいるかもしれません。
野生動物がいるところ、家畜を放牧しているところでは、夏にあちこちを飛びまわるのをみつけることがあります。
猫トイレの掃除をしていて、みつけたこともあります。

ここにあるのは、これまでみつけた(もらったものも)糞虫のなきがら。

死んだふりでなく、本当に死んでいるものだけ持って帰るので、これまで出会えた糞虫のうちのこれはごく一部です。
一般的な甲虫にくらべ、2等身っぽくてかわいいと思いません?
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この作品は、今月22日のグラス2hオークションに出品しています。

グラス2Hオークション・・・https://2h.wcs.jp
2024/06/18 21:13 Update
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