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いそのん劇場【ウミノモトができるまで】
2024年08月14日(水)
今月8月11日に礒やしきのはなれで開催された毎月一日だけの礒野お手製の展覧会「いそのん劇場」の様子をご紹介します。
ごあいさつ
【ウミノモトができるまで】
【ウミノモト】のストーリー上の課題は、カシパン星を助けたり地球の危機をかわすことにありましたが、作品としての課題は、さらに複雑で難解なものでした。
こういうものが欲しい、こういう感覚になるものが欲しいというビジョンが明確だったおかげで一年もかけないうちに完成まで至りましたが、そのビジョンの実現には、新しいモチーフと新しいモチーフのための技術、さらに望む印象を与えるための多層構造の組み立てが必要でした。
というわけで、本日のいそのん劇場では【ウミノモト】ができあがるまでのチャレンジの一端をお見せしようと思います。
展示作品は、その工程の途中途中に完成した個体たちで、その個性のひとつひとつが、次の課題につながっていったものたちです。
説明と一緒になった小さな部品たちは、モチーフづくりのための実験結果など。
ルーペか携帯のカメラを片手に拡大して見るのも面白いでしょう。
会場では、スタヂオiで連載された「デトリタスの幽霊」の紹介もあります。
【ウミノモト(鯨のような、)】の展示作品は、このストーリーの掲載時期にリアルタイムで創られたものです。
またこのあとに、連れ歩きやすいカタチの【ウミノモト】が欲しいとおもって誕生したのが【ウミノモト(蛸のような、)】
完成品は全て「いそのん劇場スペシャル展」で新しいオーナーさんの所蔵がきまりましたが、それまでの過程で誕生したおもしろい子たちを展示しています。
さて、作品を楽しむのに、魔法の裏舞台の知識は邪魔でもあります。
なので、今日をしっかり楽しんだら、あらためて制作知識などすっぱり忘れてくださいませ。
2024年8月 礒野昭子
会場風景
スタヂオiで連載された「デトリタスの幽霊」を超要約したもの。
間に貼られたABCは展示されている作品がどの時点で制作されたかを示すもの。
手前から
「海面を漂う泡泡をどう表現するか?の実験
(表面を漂うものは全体の輪郭が意識に残りやすくするために入れる)
あわあわ蛸さんで使用」
「ぐるぐるしたものの存在の為の部品」
「クモヒトデの足の質感テスト
太い方の棒で作り置きしておいて、寸前に細く引き直して使う」
「蛸のような、」の完成のあと 、皆が好きな小さいものを気まぐれにチャレンジしてみたもの
手前から
「ホヤの実験」
「その1 同じパーツでも透明ガラスへの溶かしつけ方で違う形状がつくれる」
「その2 ホヤの為の2種類のパーツ
採用したものと不採用だったもの」
「その3 群生に見せる為のチャレンジ」
【ウミノモト】は生命のごった煮、 すべての命が関わり合っているとい うイメージで 創り始めたもの。
海からすくいあげたものが海獣のカタチになったというイメージ。
歯鯨であるイルカを自指しながら試行錯誤した個体
以前、蛸だけで球体状になるデフォルメを思いついたときに、 粘士で造形して覚え書き( ?)しておいたもの
これが「蛸のような、」の、決定版になると製作中に確信した個体。
早く結果をみたくて出来上がりを急いでしまったため、内部に歪みが残ってしまった。
その結果 、冷めると同時に割れたので、補修したのがこの個体
手前
「ハタンポの部品」と作り方の覚え書き(ネタ帳のコピー)
奥
「(鯨のような、)の目の部品と、採用しなかった使用法」
「鯨のような、」にハタンポの群れを仕込むことが成功し、内部の構成が 完成 した個体
全体のフォルムを柔らかくし動きをつけ、流体感をもたすことが次の課題となった。
【ウミノモト(鯨のような、)】完成作品(いそのん所蔵)
(「あとの祭り」対象作品、今月のグラス2Hに出品します)
この個体は「鯨のような、」を球体にすることから「蛸のような、」への移行を試みたもの。
できあがってみると、外形の生き物がとても強く、魅力的な一方、目的のイメ ージからはずれた個体
この次は、吸盤をなくし、全体を流体のイメ ージに近 づけることが課題になった
(「あとの祭り」対象作品。この会場で抽選販売を行いました)
歯鯨のイルカをイメージして完成した個体。
スタヂオiのお話の中に登場したり、図録に掲載されたりした作品。
課題であったチャツボボヤやグモヒトデが完成し、サルパのようなものやクラゲのようなものもはい ったもの。
正面顔がかわいいのが気に入 っている。
この次の個体では、 さらにみっちり詰まってごった煮になった状態を いかにして可能にするかが課題にな った
次回いそのん劇場は9月8日
釜出しあり。
この1点をその場で抽選販売します。
お楽しみに!
ごあいさつ
【ウミノモトができるまで】
【ウミノモト】のストーリー上の課題は、カシパン星を助けたり地球の危機をかわすことにありましたが、作品としての課題は、さらに複雑で難解なものでした。
こういうものが欲しい、こういう感覚になるものが欲しいというビジョンが明確だったおかげで一年もかけないうちに完成まで至りましたが、そのビジョンの実現には、新しいモチーフと新しいモチーフのための技術、さらに望む印象を与えるための多層構造の組み立てが必要でした。
というわけで、本日のいそのん劇場では【ウミノモト】ができあがるまでのチャレンジの一端をお見せしようと思います。
展示作品は、その工程の途中途中に完成した個体たちで、その個性のひとつひとつが、次の課題につながっていったものたちです。
説明と一緒になった小さな部品たちは、モチーフづくりのための実験結果など。
ルーペか携帯のカメラを片手に拡大して見るのも面白いでしょう。
会場では、スタヂオiで連載された「デトリタスの幽霊」の紹介もあります。
【ウミノモト(鯨のような、)】の展示作品は、このストーリーの掲載時期にリアルタイムで創られたものです。
またこのあとに、連れ歩きやすいカタチの【ウミノモト】が欲しいとおもって誕生したのが【ウミノモト(蛸のような、)】
完成品は全て「いそのん劇場スペシャル展」で新しいオーナーさんの所蔵がきまりましたが、それまでの過程で誕生したおもしろい子たちを展示しています。
さて、作品を楽しむのに、魔法の裏舞台の知識は邪魔でもあります。
なので、今日をしっかり楽しんだら、あらためて制作知識などすっぱり忘れてくださいませ。
2024年8月 礒野昭子
会場風景
スタヂオiで連載された「デトリタスの幽霊」を超要約したもの。
間に貼られたABCは展示されている作品がどの時点で制作されたかを示すもの。
手前から
「海面を漂う泡泡をどう表現するか?の実験
(表面を漂うものは全体の輪郭が意識に残りやすくするために入れる)
あわあわ蛸さんで使用」
「ぐるぐるしたものの存在の為の部品」
「クモヒトデの足の質感テスト
太い方の棒で作り置きしておいて、寸前に細く引き直して使う」
「蛸のような、」の完成のあと 、皆が好きな小さいものを気まぐれにチャレンジしてみたもの
手前から
「ホヤの実験」
「その1 同じパーツでも透明ガラスへの溶かしつけ方で違う形状がつくれる」
「その2 ホヤの為の2種類のパーツ
採用したものと不採用だったもの」
「その3 群生に見せる為のチャレンジ」
【ウミノモト】は生命のごった煮、 すべての命が関わり合っているとい うイメージで 創り始めたもの。
海からすくいあげたものが海獣のカタチになったというイメージ。
歯鯨であるイルカを自指しながら試行錯誤した個体
以前、蛸だけで球体状になるデフォルメを思いついたときに、 粘士で造形して覚え書き( ?)しておいたもの
これが「蛸のような、」の、決定版になると製作中に確信した個体。
早く結果をみたくて出来上がりを急いでしまったため、内部に歪みが残ってしまった。
その結果 、冷めると同時に割れたので、補修したのがこの個体
手前
「ハタンポの部品」と作り方の覚え書き(ネタ帳のコピー)
奥
「(鯨のような、)の目の部品と、採用しなかった使用法」
「鯨のような、」にハタンポの群れを仕込むことが成功し、内部の構成が 完成 した個体
全体のフォルムを柔らかくし動きをつけ、流体感をもたすことが次の課題となった。
【ウミノモト(鯨のような、)】完成作品(いそのん所蔵)
(「あとの祭り」対象作品、今月のグラス2Hに出品します)
この個体は「鯨のような、」を球体にすることから「蛸のような、」への移行を試みたもの。
できあがってみると、外形の生き物がとても強く、魅力的な一方、目的のイメ ージからはずれた個体
この次は、吸盤をなくし、全体を流体のイメ ージに近 づけることが課題になった
(「あとの祭り」対象作品。この会場で抽選販売を行いました)
歯鯨のイルカをイメージして完成した個体。
スタヂオiのお話の中に登場したり、図録に掲載されたりした作品。
課題であったチャツボボヤやグモヒトデが完成し、サルパのようなものやクラゲのようなものもはい ったもの。
正面顔がかわいいのが気に入 っている。
この次の個体では、 さらにみっちり詰まってごった煮になった状態を いかにして可能にするかが課題にな った
次回いそのん劇場は9月8日
釜出しあり。
この1点をその場で抽選販売します。
お楽しみに!
2024/08/14 22:08 Update