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いそのん劇場【百年サナギとウミノモトを比べる】

今月9月8日に礒やしきのはなれで開催された毎月一日だけの礒野お手製の展覧会「いそのん劇場」の様子をご紹介します。
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ごあいさつ

【百年サナギとウミノモトを比べる】

今回のいそのん劇場は【百年サナギ】と【ウミノモト】
この2つの作品を比べて味わっていただきます。
ふたつを比べることで、それぞれの作品をより深く知って楽しんでいただけるのではと思います。

この2つは片方が海のもの、もう一方は山のもの、という大きな違いがあります。
そして、どちらも「そこにある命を愛しいと思う悦び」がテーマです。

【百年サナギ】は落ち葉の中で大型のサナギを見つけた時の悦びです。
手にずっしりと感じるその命の重みが私をワクワクドキドキさせます。

【ウミノモト】は海の中でたくさんの命に囲まれて、その一部になった時の悦びです。
おだやかな悦びで、胸がいっぱいになります。

これから階段をあがって会場に入ったら、それぞれの作品を手にとって、礒野が感じた世界を想像してみてください。
うまく想像できたら、それぞれに違う種類の脳内ホルモンが、脳内をだばだば流れるのを感じるのではないかと思います。

虫や海にご縁のない人のために解説するならば、
【百年サナギ】は宝物を見つけた時の悦び
【ウミノモト】はお風呂にゆっくりと身体を沈めた時の気持ちよさ

私にとって、作品の役割とは悦びの再現と悦びの共有でもあります。
山や海にご縁がない方も、この機会に想像の世界の森や空想の海に入って、心地よい2種類の悦びを共有してくださいませ。

2024年9月 礒野昭子
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会場風景
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会場ではこの子を寝かしつけているベッドから取り出してもらいます。
手にとった時に感じて欲しいと作品に込めたのは、宝物を見つけた時のワクワクドキドキ。

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【ナギ】はサナギの奇妙で魅力的な姿に注目してデフォルメした作品。
火で造形し、冷めてからサンドブラストで削ったもの。
木のスタンドから、引き抜いて手にとることができます。

木の幹の穴から半分はみ出したサナギをみつけることがあります。
正体はおそらくカミキリムシのサナギで、すでに羽化してからっぽなもの。
いつか本体があるうちに出会いたい。
【ナギ】はサナギ命の本体が詰まってるという作品。
手に感じる重みがその実感のもと。

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【ナギ】光を後ろにもっていってやると、左は朽葉色、右の子は濃い紫色になります。
木の穴から抜き出してやると、右の子のお尻がちょっぴり緑色
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私にとって海の中は安らぎの場所。
人によって、その感覚を感じる場所や状況は違うもの。
ウミノモトを見ながら、
風の中を疾走する時にあたりと自分が一体になってると感じる方にはそのことを思い出してもらったり、
星空をみあげた時に自分が地球の一部になってると感じる方にはそのことを思い出してもらったり。
そんなときの【ウミノモト】は記憶を呼び戻すためのアイコン。

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(画像をタップまたはクリックしてください)
【ウミノモト(蛸のような、)】の気まぐれで制作した小さい子
さらに連れ歩きやすいのが魅力です。
今月のグラス2Hに出品します。

そしてもう1点の展示は
【ウミノモト】のあばれ玉
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今月の釜出しとして、抽選販売の結果、旅立っていきました。

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次回いそのん劇場は10月13日
釜出しはありません。
2024/09/10 10:40 Update

9月8日はいそのん劇場の開催日です

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今月9月8日は「いそのん劇場」の開催日です。

いそのん劇場では礒野作品を主役にした「今月の企画展示」を開催します。
さて今月はどのようないそのん劇場でしょうか?お楽しみに!

そして今月は先月にひきつづき、「釜出し」と「下見」があります。
それに加えて、はなれのメインロビーでは、魔法使いいそのんの使い魔の幼体「羽おたま」の販売があります。
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「羽おたま」は7匹(各2000円)ご希望が多い時には抽選になります。
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「今月の釜出し」

【ウミノモト】ができるまでの間に誕生した歯鯨のカタチのあばれ玉を一匹、いそのん劇場にて抽選販売いたします。
なんともひょうきんな子です。
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(釜出し企画とは・・・
いそのんの工房のあるこの場所で、オークションには(良い意味でも悪い意味でも)出しかねる作品をご自身で目利きしていただき、ご希望があれば販売あり、という企画です。
焼き物の世界の窯出しをもじり、魔法使いが魔法薬をぐつぐつ煮る大釜の字をあてて名付けました。)
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「今月の下見」
今月のグラス2Hオークションに登場の【ウミノモト】(蛸のような、)。
気まぐれで誕生した小さい子を紹介いたします。
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ご来訪には前日までに連絡をいただいております。
注:お越しの方は必ず事前にご連絡ください。

ご連絡方法や詳しいご案内はコチラ
「礒やしき」と「いそのん劇場」のご案内・・・http://www.iso.cx/kero/0832

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2024/09/04 22:25 Update

いそのん劇場【ウミノモトができるまで】

今月8月11日に礒やしきのはなれで開催された毎月一日だけの礒野お手製の展覧会「いそのん劇場」の様子をご紹介します。
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ごあいさつ

【ウミノモトができるまで】

【ウミノモト】のストーリー上の課題は、カシパン星を助けたり地球の危機をかわすことにありましたが、作品としての課題は、さらに複雑で難解なものでした。

こういうものが欲しい、こういう感覚になるものが欲しいというビジョンが明確だったおかげで一年もかけないうちに完成まで至りましたが、そのビジョンの実現には、新しいモチーフと新しいモチーフのための技術、さらに望む印象を与えるための多層構造の組み立てが必要でした。

というわけで、本日のいそのん劇場では【ウミノモト】ができあがるまでのチャレンジの一端をお見せしようと思います。

展示作品は、その工程の途中途中に完成した個体たちで、その個性のひとつひとつが、次の課題につながっていったものたちです。

説明と一緒になった小さな部品たちは、モチーフづくりのための実験結果など。
ルーペか携帯のカメラを片手に拡大して見るのも面白いでしょう。

会場では、スタヂオiで連載された「デトリタスの幽霊」の紹介もあります。
【ウミノモト(鯨のような、)】の展示作品は、このストーリーの掲載時期にリアルタイムで創られたものです。
またこのあとに、連れ歩きやすいカタチの【ウミノモト】が欲しいとおもって誕生したのが【ウミノモト(蛸のような、)】
完成品は全て「いそのん劇場スペシャル展」で新しいオーナーさんの所蔵がきまりましたが、それまでの過程で誕生したおもしろい子たちを展示しています。

さて、作品を楽しむのに、魔法の裏舞台の知識は邪魔でもあります。
なので、今日をしっかり楽しんだら、あらためて制作知識などすっぱり忘れてくださいませ。

2024年8月 礒野昭子
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会場風景
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スタヂオiで連載された「デトリタスの幽霊」を超要約したもの。
間に貼られたABCは展示されている作品がどの時点で制作されたかを示すもの。

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手前から
「海面を漂う泡泡をどう表現するか?の実験
(表面を漂うものは全体の輪郭が意識に残りやすくするために入れる)
あわあわ蛸さんで使用」

「ぐるぐるしたものの存在の為の部品」

「クモヒトデの足の質感テスト
太い方の棒で作り置きしておいて、寸前に細く引き直して使う」

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「蛸のような、」の完成のあと 、皆が好きな小さいものを気まぐれにチャレンジしてみたもの

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手前から
「ホヤの実験」

「その1 同じパーツでも透明ガラスへの溶かしつけ方で違う形状がつくれる」

「その2 ホヤの為の2種類のパーツ
    採用したものと不採用だったもの」

「その3 群生に見せる為のチャレンジ」

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【ウミノモト】は生命のごった煮、 すべての命が関わり合っているとい うイメージで 創り始めたもの。
海からすくいあげたものが海獣のカタチになったというイメージ。
歯鯨であるイルカを自指しながら試行錯誤した個体

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以前、蛸だけで球体状になるデフォルメを思いついたときに、 粘士で造形して覚え書き( ?)しておいたもの

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これが「蛸のような、」の、決定版になると製作中に確信した個体。
早く結果をみたくて出来上がりを急いでしまったため、内部に歪みが残ってしまった。

その結果 、冷めると同時に割れたので、補修したのがこの個体

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手前
「ハタンポの部品」と作り方の覚え書き(ネタ帳のコピー)


「(鯨のような、)の目の部品と、採用しなかった使用法」

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「鯨のような、」にハタンポの群れを仕込むことが成功し、内部の構成が 完成 した個体
全体のフォルムを柔らかくし動きをつけ、流体感をもたすことが次の課題となった。

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【ウミノモト(鯨のような、)】完成作品(いそのん所蔵)

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(「あとの祭り」対象作品、今月のグラス2Hに出品します)
この個体は「鯨のような、」を球体にすることから「蛸のような、」への移行を試みたもの。

できあがってみると、外形の生き物がとても強く、魅力的な一方、目的のイメ ージからはずれた個体
この次は、吸盤をなくし、全体を流体のイメ ージに近 づけることが課題になった

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(「あとの祭り」対象作品。この会場で抽選販売を行いました)
歯鯨のイルカをイメージして完成した個体。
スタヂオiのお話の中に登場したり、図録に掲載されたりした作品。
課題であったチャツボボヤやグモヒトデが完成し、サルパのようなものやクラゲのようなものもはい ったもの。
正面顔がかわいいのが気に入 っている。

この次の個体では、 さらにみっちり詰まってごった煮になった状態を いかにして可能にするかが課題にな った
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次回いそのん劇場は9月8日
釜出しあり。
この1点をその場で抽選販売します。
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お楽しみに!
2024/08/14 22:08 Update

8月11日はいそのん劇場の開催日です

「やまのパンダ屋さん」の時間と内容
パン屋さんとまちがえられる通称が変わりました!

新しい第二日曜日山のおうちのイベントについてはこちらをごらんください。

「礒やしき」と「いそのん劇場」のご案内・・・http://www.iso.cx/kero/0832
スタヂオiのこの記事もあわせてご覧ください・・・ http://iso.wcs.jp/04096 

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今月8月11日は「いそのん劇場」の開催日です。

今回はスペシャル展を終えて、初の開催、
「いそのん劇場スペシャル展-あとの祭り」の一環として
【ウミノモトができるまで】を展示します。
今回は「釜出し」あり!

(釜出し企画とは・・・
いそのんの工房のあるこの場所で、オークションには(良い意味でも悪い意味でも)出しかねる作品をご自身で目利きしていただこうという企画です。
焼き物の世界の窯出しをもじり、魔法使いが魔法薬をぐつぐつ煮る大釜の字をあてて名付けました。)
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【ウミノモト】ができるまでの間に誕生した歯鯨のカタチのあばれ玉を一匹、いそのん劇場にて抽選販売いたします。
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また、おなじく「あとの祭り」として今月のグラス2Hオークションに登場の
【ウミノモト】(蛸のような、)のあばれ玉の実物を紹介いたします。
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ご来訪には前日までに連絡をいただいております。
注:お越しの方は必ず事前にご連絡ください。

ご連絡方法や詳しいご案内はコチラ
「礒やしき」と「いそのん劇場」のご案内・・・http://www.iso.cx/kero/0832

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2024/08/03 13:14 Update

いそのん劇場【糞玉とダイコクコガネモドキ】

今月6月11日にやまのパンダ屋で開催された毎月一日だけの礒野お手製の展覧会「いそのん劇場」の様子をご紹介します。
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ごあいさつ

【糞玉とダイコクコガネモドキ】

今月のいそのん劇場では、作品【土に還る】と糞玉の袋を糞玉で暮らす幼虫の気持ちで見ていただきます。

【土に還る】はダイコクコガネモドキ、今度は雌♀(46g)。

糞虫、糞玉、フンフンフン
糞、クソ、うんこ、便、
さて糞と言えば、汚いもののイメージがありますが、ほんとにそう?

その内容は、分解しきれなかった食べ物、腸内に住んでいた微生物のご遺骸、水分、などなど。

土を肥やし、植物や菌類を喜ばす、栄養価の高いかたまり。
糞そのものは汚くはない。

なのになぜ、汚いと思う?
これはきっと寄生虫のことがわからない時代の、赤痢やコレラの正体がわからない時代の、ヒトの歴史の重なりが考えた「危険だから糞をまるごと汚いと思って避けろ」という作戦。

私は食べるものには火を入れることにして、糞ではなく赤痢やコレラや寄生虫そのものの感染を避ける作戦で、糞を嫌うのをやめました。

先入観をとっぱらって見ると、糞に集まる糞虫にはその姿のかわいいものが多い。
姿だけでなく、行動がまたかわいい。
ホカホカした糞に、よってたかってちぎりとり、団子に丸めて転がして、四方八方散っていく姿がかわいい、押したりひっぱったりえっほえっほと働く姿もかわいい。
卵を産みつける糞玉(糞団子)もとってもかわいい。

そんな糞虫ファンのいそのんが生んだ「ダイコクコガネモドキ雌♀」
中に仕込んだ小さなタンポポの綿毛(ガラスです)、外を覆う糞玉の袋(羊毛です)、その他もろもろ周辺のしつらえ、全部あわせて、本日のいそのん劇場をお楽しみくださいませ。

2024年6月 礒野昭子
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会場風景
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会場には、礒野がこれまで拾いあつめてきた糞虫のコレクションも展示しました。
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さてこの糞虫、世界にはたくさんの種類がいます。
有名なのはファーブルが本に書いたオオタマオシコガネやエジプトのミイラに添えられたスカラベではないでしょうか。

日本にも、たくさんの種類の糞虫がいます。
カブトムシ弱サイズから、カナブンサイズ、ゲンゴロウサイズ、アリさんサイズと、いろいろな大きさの種が居ます。
意外と身近に居ることもあるのですが、それと気が付かずにいるかもしれません。
野生動物がいるところ、家畜を放牧しているところでは、夏にあちこちを飛びまわるのをみつけることがあります。
猫トイレの掃除をしていて、みつけたこともあります。

ここにあるのは、これまでみつけた(もらったものも)糞虫のなきがら。

死んだふりでなく、本当に死んでいるものだけ持って帰るので、これまで出会えた糞虫のうちのこれはごく一部です。
一般的な甲虫にくらべ、2等身っぽくてかわいいと思いません?
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この作品は、今月22日のグラス2hオークションに出品しています。

グラス2Hオークション・・・https://2h.wcs.jp
2024/06/18 21:13 Update
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